隠居の独り言 88

東京のバスに乗るとアナウンスで「東京にお住まいで70歳になられた方はシルバーパスの購入ができます」と説明がある。高齢者は年間1000円で（高額所得者は20510円）都営バス、都営地下鉄など無料になる。高齢者には有難いことだけれど、これらの負担は都税であり、あまり安過ぎにも考えさせられる。今は保育所が足りない事情なのでそちらを優先すべきだろう。平均的な高齢者は預金が多いので優遇政策もほどほどに・・日本の貯蓄額の6-7割は65歳以上の高齢者が持っている。60歳前後には退職金の入る時期でもあり、親の相続財産が入るのもこのころで、大金の入る一方で住宅ローンも終わり子供は独立して老夫婦には支出がぐっと減る。それに加えて年金も銀行口座に入金される。つまり老人は金持ちなのだ。といって預金がゼロの65歳以上の所帯は1/4も居るといい、年金も国保だけの所帯は1/3で、中に年金も所帯も家も無く下流独居老人がいるのも事実で、手厚い保護は欠かせない。貧富の格差は政治のせいもあるのでここは、よしなに願いたい。JR各社にシニア向けのジパング倶楽部という組織があって夫婦二人で6290円を払えば長距離の運賃が三割安になる。でもこれは民間会社であるJRの客集めの商売手法であって飛行機、私鉄、映画館などシニア割引は盛んに行われている。益々増えるシニアの金持ち層を狙うのは商売の常道だろうが、でも公共料金が膨大な赤字がある以上、割引は必要だろうか。しかも75歳以上は医療費も手厚く現在の老人は幸せ者だが、ひしひし迫る少子高齢化は老人が今より我慢を強いられる、政府が求めている移民政策は一時しのぎに過ぎず、反対だ。将来の日本を考える時、異国人が多く住めば日本が壊れる。昭和以前の年金も健保も無かった時代は老いては子に従い大黒柱は息子だった。高齢者の叱りを覚悟で言えば大半の高齢者は赤字財政を思い年金減額や医療費自己負担率を上げてもいいと思う。これだけ、膨大な借金財政にしたのは、今の老人の働き盛りのとき政府の指導で無駄なインフラや年金・医療の制度を作ったのが大きな要因で、今の老人の責任ともいえる。今の経済統計上では高齢者＝強者であり、若者＝弱者であって、現行の制度では、弱い立場の若者が強者の高齢者を支えているのには、とても矛盾を感じている。交通機関や映画の割引の対象は高齢者でなく未来を背負う若者ではなかろうか。年寄り天国も曲がり角にきている。