隠居の独り言 89

昨日ギックリ腰をやってしまった。朝の歯磨きをしようと腰をかがめたときガクっときた。若い時は無理な姿勢や重いものを持ち上げた負担でなるものだが、歳を取ると何の理由もなく、フトした体勢で来るとは老化現象だろう。前ぶれなく突然襲うギックリ腰には参ったが、幸いにして軽く収まったので安心している。折しも今日は「敬老の日」。誰も老いたくないが、こればかりは天子様から庶民まで公平に歳を取り、老いるのだから時の経過は仕方ない。その昔、秦の始皇帝は不老不死の妙薬が無いものかと家来の徐福という者に、国内はもとより世界中を巡って探して来いと命じた。徐福は3000人の若い者と多数の優れた技術者、医師、仙人を連れて東海(多分日本)に船出をしたらしいが、その後は行方不明になってしまい、杳として存在が知れなかった。徐福が漂着らしい伝説は日本全国各地に点在して吉野ヶ里遺跡もその一つだが吉野ヶ里伝説が事実ならここが日中交流の始まりか?でも不老不死なんてありえない妙薬を求める始皇帝の気持ちを分かるのは老いた証拠で彼のことは笑えない。老化のメカニズムはいろいろな説があって活性酸素が関係する遺伝子での老化制御あって人間なら約80年、ネズミなら約3年と生物によって寿命が決まっている。老いも人生の過程のうちでわざわざ「敬老の日」とは余計なお世話だ。老人優遇の乗り物パス券や諸々のサービスを使うたび年寄りの意識を余計に高めさせる。そんなお金があったら今の少子化の時代に若い人の結婚促進や子育て支援に廻してあげればいいと思う。高齢者平均貯蓄高は約2000万、そのうえ年金もある。「毎日のパンと少しの金があればいい」チャップリンの言葉のようにあの世にお金は持っていけない定めだ。森羅万象全て寿命が決まっている。老いは哀しいが、命が続く限りは人生を充分に楽しんで生きたい。