隠居の独り言 151

今日12/8日は先の大戦の発端となった真珠湾攻撃の日だが今の若者は日米が戦争したということを知らない人も多くいる。これも時代の流れだろうか。歴史の時間で学ばなかったのか。某調査では今の大学生の30%が知らないというから驚きだ。戦後の日本人がいかに苦労し今尚後を引いている屈辱感を若者は知ってほしい。新聞やテレビは戦争中の負の部分の、悲惨なことばかりの報道が通例になっているが世界を相手に戦った信念と勇敢を知って欲しい。民族の誇りは戦った事で顧みれば、無謀な戦争した要因は歴史を学ばなかった軍部、マスコミ、そして国民。明治に日清・日露の戦争で勝利したが、それは多分に敵失ということによるもので、日清戦争は国家ががっぷり組んだ戦争でなく清王朝という外から見れば異民族の王朝が始めた戦争であり多くの中国人(漢民族)には愛国心があるはずなく戦争の勝ち負けは最初から決まっていたのも同然。日露戦争でもロシアのロマノフ王朝の戦いでありロシア兵士の多くは帝政に対し忠誠心に欠け勝てる場面も日本軍に破れた。一方の日本は、明治の文明開化で貧乏ながらも軍事・経済など外国に負けまいと国民一丸となり国家意識が芽生えた矢先で強国に対抗できた幸運があった。勝ったけれど紙一重の辛勝の事実をマスメディアが正直に伝えなかったのが国民を天狗にした。日本が戦えば必ず勝つという不敗神話が一人歩きして無責任なマスコミも便乗した。国あげての理性を失ったのが間違いだった。国民総生産も日本の数十倍のアメリカと戦争し勝てる見込みがどこにあったのか、戦争を博打の対象のようになってしまった。12月8日といえば同盟国ドイツがロシアとの戦争で苦戦して、その3日前の5日にモスクワ近郊から退却を開始したという最悪のニュースを聞いたのに何故そこで転換できなかったか。僅か3日のタイムラグが日本の行き先を大きく変えてしまう。行き当たりばったりの無計画さに呆れてモノが言えないが、当時のアメリカもドイツが負け始めたのに同盟国の日本が、まさか戦争を始めるとは考えもしなかったという。だからアメリカを始めイギリスもオランダもフランスも油断していた。当然に日本軍が緒戦では勝てたが軍部もマスコミも日本は絶対に勝てると不敗神話で国民を騙しそして国民も納得した。冷静もあったものでない。勢いというのも不思議なものと思う。自分も阿呆な軍国少年の一人だったが、絶対に信じていた神風は遂に吹かなかった。そして1945年8/7日に広島に原爆が投下されて不敗神話が崩れ、やっと目が覚めた。だから玉音放送も国民はさほど驚かなかったし僅か一日で魔法が解けたのも頷ける。「戦争は二度としてはいけない」戦争体験者は言いたい!でも言うは易し、行うは難し。