稲毛の浜

私は結核療養のため昭和32年(24才)に稲毛額田病院に一年間入院をしました。
当時は小高い丘の上の病院の松林から眼下に東京湾が広がっていてノリ養殖所
や船宿が数軒ある小さな漁村でした。夕陽が沈むころ海面が真っ赤に染まって
浜辺の小船が黒くゆれる風景は一幅の絵巻を見るようでその感動は今も脳裏を離れない。