2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小僧一人旅 その十四

商いの鉄則「入るを量りて出ずるを制する」は欠かせない。地道な方法で努力を継続するしか黒字確保の道はない。 利益性の高い商品の売上割合を少しでも増加させること、経費の効率を改善すること、自らを律することにも徹する。商人に限らずサラリーマンも将…

小僧一人旅 その十三

東京オリンピックは戦後一つの区切りをつけた出来事と云える。日本人が国際感覚を身につけたのもオリンピックが機になった。外国選手ばかりでなく観光客やマスコミが日本を訪れ賑わった。敗戦から見事立ち直った日本の底力を世界に示した東京五輪。10月10日…

小僧一人旅 その十二

明けて昭和38年は来年の東京オリンピック開催に向けての景気で、世間は大きく変わり特に東京の西南部は競技施設やそれに伴って街は大いに変貌し一般道、高速道路や新幹線など次々と建設され岩戸景気とか、いざなみ景気と称されて当時の景気の上昇は続く。世…

小僧一人旅 その十一

独り立ちして丸二年が過ぎたお正月に久しぶりに帰郷した。まだ新幹線は開通してなかったので東海道本線の夜行列車、神戸行き特急「銀河」に乗り、その先は山陽線普通に乗り換え、姫路に着くが、電車が明石から播磨平野に入ると車窓からは遥か遠くに姫路城が…

小僧一人旅 その十

日比谷公園にチューリップの華やかな花壇があり、傍には大勢のカップルたちが青春を謳歌している。お見合い相手は上野高校出の銀行に勤める才女でその容姿、言葉、仕草に小僧はひと目で気に入った。♪妻を娶らば 才長けて 見目麗しく 情けあり・・与謝野鉄幹…

小僧一人旅 その九

中国の「五行説」は「火木水金土」の五つの星が天地万物の全て当てはまると考えられている。小僧は四月生まれの木星。対応する方角は東、色は青、季節は春・・そう、ボクは青春!何かの本で読んだ生半可な知識も迷信もそれを信じることは恐ろしいもので日々…

85歳の誕生日

今日4月16日は不肖ボクが85歳になる誕生日です。 母の胎内にいた時、ドイツではヒトラーが首相に、 アメリカではルーズベルトが大統領になりました。 風雲急な時に大阪で一人の赤子が生まれました。 戦争の申し子も難産で生まれたと聞き及びます。 この歳に…

小僧一人旅 その八

職人さんの紹介で来た裁断士は腕前も中々達者だが、とても気さくな人で先の大戦を実際に戦った引揚者で、中国からマレー半島、ビルマと戦地を転戦したそうで、小僧も昼休みに、その体験話を聞くのが楽しみだった。裁断士も話が上手で、お茶を飲みながら居な…

小僧一人旅 その七

ある日、裁断を頼んでいた向かいのお爺さんが倒れた。小僧は近くの医者に走り往診してもらったが脳出血で、しばらく安静にして入院させなくてはとのことだったが、入院費用もなく、お婆さんは内縁関係のこともあって本宅に小僧は連絡したが「そちらで処置し…

小僧一人旅 その六

「商冥加」と云う言葉がある。一つごとを「飽きない」で続ける。冥加は神の恵みだから頑張れば神様もきっと応援して下さる。でも商い上手でも担保が無いと銀行はお金を貸してくれない。今と違って当時の銀行は貸付けに厳しかった。利子は高いし、担保は不動…

小僧一人旅 その五

火の車も出発して二年目に入り漸く帽子稼業も軌道に乗り始めていた。商売だから当然に営利を目的にし、利潤が出なければ意味がない。昼間は得意先に注文と配達。夜は千葉や埼玉に住む職人宅の集荷で朝から夜遅くまで休みなく働いたが、商いの伸びる喜びは何…

小僧一人旅 その四

向かいの長屋の一軒は年寄りの帽子の裁断師で仕事を頼んだ。年寄りは内縁の夫婦で、小僧が以前からお世話になった人なので、安心して留守番役を頼んで集荷や配達に出かけることも出来たし、何かと仕事や生活の面倒掛けたことに今も感謝の念は消えない。お爺…

小僧一人旅 その三

松下幸之助、本田宗一郎など、丁稚小僧から身を立て一代で築き上げた経営の神様、幸之助の言葉に「商売とは感動を与えることである」の名言がある。良い品物を作り、お客に喜んでもらう。商売冥利に尽きるのは言うまでもないが、といって成功する保証はどこ…

小僧一人旅 その二

借りた場所の近くに鳥越神社があり、独立した11/15日は「七五三」で神社は着飾った稚児と両親の晴れ姿に溢れ、華やかな祝い雰囲気は街を明るくしていた。偶然だが良き日に独り立ちしたものと我ながら感慨深く稚児たちを祝った。鳥越一丁目辺りは、関東大震災…

小僧一人旅 その一

青春時代は過ぎて顧みるものだが、若さっていいなぁとつくづく思う。夢があり希望がありバイタリティーがあって、何より人生の未来の時間がたっぷりあるのが素晴らしい。「小僧日誌」の続編を書く。「降る雪や明治は遠くなりにけり」は中村草田男の句だが、…

四国の旅

高知の孫と一緒に四国3泊4日の旅をしました。 天候にも恵まれ四国の魅力を充分味わいました。 四国は景色、料理、人情など日本の原風景です。 ボクは城が好きなので四国に残る現存天守閣の 松山城、宇和島城、高知城を見学に回りましたが 折からの桜が満開で…