2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

隠居の独り言(807)

「私こと来年三月年季があけ候えば、あなたさまと夫婦になること実正なり」 遊女からこんな起請文をもらって舞い上がった男だが、友人の二人もまったく 同じ起請文を持っていた。「けしからん」と三人で遊女のもとへ押しかけたが・・ おなじみ「三枚起請」と…

銀杏の新芽

四月に入っても寒さが続いた日本列島も ようやく気温が平年並みに上がってきて 卯月の青葉・若葉が美しい季節になった。 「青」という言葉は青山・青雨のように 若葉など緑を指し未熟という意味もある。 青二才というのは若い青年のたとえだが 出世魚の呼び…

隠居の独り言(806)

大正から昭和にかけて一世を風靡した「新国劇」の出し物の傑作は「国定忠治」と 「月形半平太」だが、半平太の劇の設定は幕末期の恋あり剣ありの華やかな作品で 中でも雛菊「月様、雨が・」月形「春雨じゃ、濡れてまいろう」のセリフは有名だ。 戯曲のモデル…

西東京音楽祭

Duo EsperanzaとDuo Amistadは土曜日に 西東京市田無で催された音楽祭に参加した。 出演のミュージシャンはあらゆるジャンルで ロック、ジャズ、フォーク、吹奏楽、合唱 親父バンド等々だが、粒揃いで素晴らしい。 演奏した人たちが、古くからの友達のように…

隠居の独り言(805)

上京して半世紀以上が過ぎたが、歳のせいなのか、ときどき昔日を思う。 生まれた昭和の初期から平成の現在に至るまでの20世紀→21世紀という この時間は人類にとって、無論日本にとって最もダイナミックに変わった 時代であったと思う。日本にとって僅か半世…

千曲川旅情の歌

休日に信州の旅をしたが中学生の頃に 読んだ藤村の「千曲川スケッチ」が浮び 信濃の地を流れる千曲川の川辺に立った。 「昨日またかくてありけり、今日もまた かくてありなむ。この命なにをあくせく 明日をのみ思ひわづらふ・・」若い時に 読んだ詩も今にな…

隠居の独り言(804)

そもそも幕末の志士たちの合言葉「攘夷」とはなんだろう?日本に侵入する 夷狄(いてき)を討つ、つまり外人を神国日本には入れないという思想だが 幕末の志士たちは具体的にどうすればいいのか、その答えも出せないままに 燃えたぎる闘争心だけで叫んでいた…

信州・上田城

桜の名所・長野県上田の上田城を訪れた。 今年の桜は、予期せぬ四月寒波の影響で 信濃路は雪と桜が同時に見られたそうで 四月中旬なのに残雪が多く風も冷たい。 上田の町は城を中心に千本桜と言うほど 町全体がピンクの花びらに染まっている。 この城は周知…

隠居の独り言(803)

花散らしの雨が降りしきる日に作家・井上ひさしさんの訃報を新聞で知った。 ひさしさんの著書は何冊か読んだことがあるが内容や文章が親しみやすく 言葉の中身、濃さ、表現、その新鮮さは、何度読んでも新しい発見にあえる。 「むつかしいことを、やさしく。…

誕生日

1933年4月16日朝に大阪市東区平野町で 男子が誕生した。昭和の初めの頃の日本は 難儀な時代で世界大恐慌の真っ只中にあり 欧米諸国は保護貿易に走り日本はあおりを 食って輸出が止まり不景気のどん底だった。 未だ植民地時代の名残もあり活路を求めて 日本は…

隠居の独り言(802)

大河「竜馬伝」は第二部に入ったが、視点を変えて半平太の子分・以蔵を見る。 子供の頃から独学で天才的な剣術を磨いた土佐の足軽・岡田以蔵(佐藤健)は 武市半平太に見出され、彼が領袖とする土佐勤皇党にも入れてもらい、仲間と 付き合える喜びに半平太を…

池上本門寺

昨日は法事で池上本門寺へ訪れた。 寺は蒲田から東急池上線に乗って 二つ目の駅で参道の雰囲気がいい。 境内には重要文化財で、関東では 現存する最古で最大の五重塔が建つ。 都内の桜の名所としても有名だが 厳な寺院に華やぎを添えている。 池上本門寺は東…

隠居の独り言(801)

趣味のギター弾き語りはラテンの歌が一番の好みだが歌詞の殆どがスペイン語になる。 当然ながら中南米の国々はブラジルを除いてスペイン語圏なので当地で生まれた歌は スペイン語で歌われる。スペイン語に無学な私も言葉の語感の響きはとても心地よく 歌詞は…

靖国神社

小学一年生の国語の最初のページの文は 「サイタサイタサクラガサイタ」だった。 昭和14年入学で半世紀以上が過ぎても 清々しいあの感激は忘れない。先生から 渡された真新しい国語の教科書を開けば サイタの文章と挿絵の靖国神社の鳥居と 桜の花びらは今も…

隠居の独り言(800)

大河ドラマ「竜馬伝」も第一幕が終って竜馬(福山雅治)が脱藩後における 幕末全体を描いた第二幕に入るが、キリがいいので今回はネタを変えてみる。 隠居シリーズも今回で800の数に達したが2006年から始まって4年を経て 顧みればよく来たと自負している。一…

千鳥ヶ淵

東京の今は桜の満開の時期を迎えている。 公園にも街路樹にも狭い路地の通りにも 都内の至る所に桜が咲いて街のカラーが 一変したように春が一挙にやってきた。 近所の桜に飽き足らず、春霞の日曜日に 東京の桜の名所、千鳥ヶ淵を訪れた。 覚悟はしていった…

隠居の独り言(799)

「女性と老人と芸人は年齢を偽ってもいい」と、どこかで見た本に書いてあった。 今日はエイプリルフール・・女性に歳を聞くのは失礼という常識はいつ頃からか 定かでないが大抵の女性は「年齢を二つ」持っている。つまり実際の生年月日と 社交的年齢で、実年…

日本一高い建造物

東京の下町墨田に建設中の新タワー 東京スカイツリーが、3月29日に 日本の建造物で最も高い東京タワーを 抜いて日本一の高さになった。近くに 寄ると迫力満点の威容が目前に迫る。 これから倍の高さになるというから、 完成時には、圧倒的なタワーの姿は 感…