2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小僧一人旅(6)

鳥越の路地裏には各家が植木や路地花を咲かせて、家々の密集した圧迫感を和らげて 目にも優しく気持ちも癒されて、朝夕に水を撒く近所の人たちとの対話の時間も楽しく 地域の和に溶け込む自分が、一本の木になる小さな苗木のような気分に心地良かった。 独り…

春休み(3)

学校の春休みは親子にとって夏冬の休みより のびやかで落ち着いたいい気分の日が続く。 親にとって学年が終わり安堵して、子にとって なにより宿題の無いのが一番の喜びの日々だ。 海や山や野の自然のなかに子供たちを放せば ここぞと思いっきり走り転び駆け…

小僧一人旅(5)

一生の算段を付けた心算でも現実とのギャップは大きく今耐えねばならない事は承知の上 だが、それにしても良く貪欲に仕事と生活に苦労が出来た事を今も不思議に思ってしまう。 5坪の空間に裁断機と仕上げ機を備えて生地と付属と製品で足の踏み場も無く四方…

春休み(2)

伊豆の夜明けの表情はとても豊かで素晴らしい。 二日目のホテルは海に面していたのでベランダから ご来光を拝む事が出来たが、その夜明け直前の 空の薄い白さの暁のころ西の方向に目をやると ほのかに明るくなった朝ぼらけの中に満月が 光を失っていく幻想的…

小僧一人旅(4)

人生は植物の種のようで、いつ、どこで根付き、どのような木に成長するか分からない。 立派な花も実もある大木もあれば日陰で萎れてしまう苗もある。持って生まれた運だろう。 政治でも経済でもそうだが戦乱期、混乱期に年回りがいいと成功する率ははるかに…

春休み(1)

孫が春休みに入ったので下田を基点に南伊豆を 五日間、遊びほけた。伊豆は山海の自然がいい。 陽は海から昇り海に沈む。何度見ても感動ものだ。 春を告げるスミレ、レンゲ、ナノハナが咲きそろい 蝶が舞いカエルも見かけて生きた自然が教材だ。 夜は満天の星…

小僧一人旅(3)

「あきない」の継続の基本は資本、人脈、技術、創造力、我慢と、そして運で決まる。 どの一つを欠いても成功はおぼつかない。先輩の何人かが会社から独立し商売を始めたが 生き残れたのは誰一人なく、仕入先の生地、付属関係等の会社は小僧の出だしを訝った…

すもももももももものうち

同音「も」が八つも続いて舌がもつれそうな 早口言葉の一つだが小さい頃はよく遊んだ。 「すもも」の花は白に近く白梅の感じに思う。 桃の花は中国の伝説で悪魔を払う力はあると 信じられて3/3日の雛祭りに、その花を供える 様式もその信仰や習慣の影響かも…

小僧一人旅(2)

鳥越神社にはその日、七五三の稚児の晴れ姿で華やかな雰囲気は街を明るくしていた。 鳥越一丁目あたりの一帯は、関東大震災や東京大空襲の火災からも免れた稀有な地帯で 住民の人たちはその幸運を喜んだが、その分戦後の復興の勢いから遅れたのは否めない。 …

実らぬ花と恋

春のピンク系の多い花のなかで黄色の鮮やかな 山吹は実らぬ花として昔の歌人に哀しく詠まれ たが、事実八重咲きの方は実がならないそうだ。 「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の(蓑)ひとつだに なきぞ哀しき」 兼明親王 大田道灌が雨に遭い近くの家で蓑を…

小僧一人旅(1)

もうこの部屋に戻ることはないと少し感傷ぎみだったけれど明日と言う日が人生の 節目と思うと胸が熱くなった。外は秋の霧雨に濡れて気温も下がり寒い夜だった。 会社を辞めるとき社長さんは「円満退社」の通知を同業者宛に出してくださった。 それは信用書き…

小僧一人旅(まえがき)

この写真は27才の夏に撮ったものだが、自分ながら 若さっていいなぁとつくづく思う。バイタリティーがあり 希望と夢があり、なにより人生の時間がたっぷりあるのが なにに替え難く、素晴らしい。 「小僧」の続編を書く。 「降る雪や明治は遠くなりにけり」は…

花だより

三月の誕生色は楚々とした薄紅色の山桜なのだそうだ。 「敷島の大和心を人問わば朝日に匂ふ山桜かな」 本居宣長 東京のソメイヨシノの開花予報は3/27日だそうだが蕾もそろそろ 膨らんで毎朝通る墨田公園の桜並木も心なしか色づいた気がする。 桜の花は、蕾七…

暑さ寒さも彼岸まで

歌舞伎「切られ与三」のセリフに「しがねぇ恋の 情けが仇、命の綱の切れたのを、どう取り留めてか 木更津から、めぐる月日も三年越し・・と語り出し 格子造りの囲い者、死んだと思ったお富と会うとは お釈迦様でも気がつくめぇ・・」春日八郎が歌った 「お富…

竹島

今、新聞等で話題になっているが、北方領土、竹島、尖閣諸島など 全てが相手の理不尽な横暴に日本はただ手をこまぬいているだけだ。 ロシア、韓国、中国などに何度とオッカナビックリ抗議しても「けんもほろろ」 情けない!お人よしもいい加減にしないと世界…

けんもほろろ

これは桃太郎が鬼が島へ連れていったキジではない。 上野動物園の入り口で真っ先に見る鳥舎のキジである。 鳥類は人間とは反対にオスのほうがオシャレで身を飾り メスの歓心を買う努力は大したものだが、そこへくると 人間の男は好きな女性を獲得するのに何…

棚から牡丹餅

「彼岸」と言えば甘党の私には真っ先に思い浮かぶは云うまでもなく「牡丹餅」 小豆餡を丸めて赤くまぶしたカタチが牡丹に似ていることから名づけられた。 秋の「おはぎ」は小豆を粒のまま散らしたところが萩の花に似ているからだが 同じ食べ物でも季節によっ…

彼岸入り

「彼岸」とは仏教語で、この世の「此岸(しがん)」に 対してあの世のことらしいが亡くなった方がこの世に 一時帰国される大切な時期として墓参する人が多い。 私が子供のころ祖母が分かりやすく説明してくれた。 「ひがんはなぁ、おひぃさんが真西に沈みは…

株の配当

フジテレビが株の配当金を今までの¥1200から¥5000にする決定をしたが 「安定配当から業績連動配当へと転換し、株主還元を重視しいく」とは 表向きはそうだが、ライブドアへの対抗として安定株主つなぎ止めの布石の 戦略だろうが、どこの会社にも言えるが株…

桜前線

天気予報では今日から四月上旬の気温の日がしばらく続く らしいが、これで桜前線は一気に北上してくるのか気がもめる。 桜は本格的な春を告げる魅了してやまない花だが、今か今かと 待ちわびて蕾が膨らみ始まると、新聞などで紹介されたりして これほど人々…

梅は咲いたが桜はまだかいな

今でこそ「花見の宴」は桜の木の下の催しだが ルーツは梅を愛でる平安貴族たちの優雅な遊びの 一つで花を見ながら詩を詠む宮廷文化は遣唐使が 持ち帰った梅を貴重な樹木としてもてはやされた のが始まりらしい。桜イコール花見とされたのは 武士が台頭した時…

蛍の光、窓の雪

三月は卒業式のシーズンだが最近では式で歌う曲も変わりつつあるようで 今年の中学校の卒業ソングの統計では「旅立ちの日に」が圧倒的に一位で、 「蛍の光」は三位に、そして「仰げば尊し」は五位にランクされているようだ。 窓の雪で勉強したことも我が師の…

ホリえもん

春の日差しが輝く六本木ヒルズ38階にライブドアー がある。ニッポン放送の経営支配権を狙って株の 買収を進めているが、そのやり方が気に入らない。 時間外取引など裏口からの奇襲作戦をしてみたり 片方のニッポン放送側も株主の了解なしに新株発行 したりし…

千葉県知事選挙

越後屋さんのHPhttp://d.hatena.ne.jp/dozzy/にも載っていますが 県民の選択はまずまずと言っていいのではないのでしょうか。 多くのタレントの人たちは行政の知識や連絡がうまく対応出来ず 過去にも青島やノックなど無能ぶりが表面化して無駄な時間と浪費…

奈良の大仏さん

私の祖母の実家が奈良だったので子供のころ 妹と祖母に連れられて奈良へよく遊びにいった。 信心深かった祖母にとって奈良公園あたりの 神社仏閣には思い出がつまってたに違いない。 今は東大寺二月堂のお水取りの行事は行われて 子供の頃、祖母と薪能や松明…

感動

年を取ると感受性が薄れ感動することが少なくなると言う。 花、音楽、絵画、夕日、動物、スポーツ等々、日々の暮らしの 小さなことでも感激し涙を流すことは人間に与えられた最高の 「天の贈り物」と言えるが、それをいつまでも保つことが老後の充実の 課題…

フォルクローレ

錦糸町駅前で南米の人たちのフォルクローレを 聞いた。ちょうど「花祭り」や「コンドルは飛ぶ」など お馴染みの曲を演奏していたが、さすが本場物の 湧き出るようなリズム感と雰囲気は日本人には 遠く及ばない人種のDNAのようなものを感じた。 楽譜などな…

東京大空襲(2)

戦争の歴史はいつも勝者の理念で語られる。 あの大空襲の悲惨は新聞やTVで報道されて いるので書くことは割愛させていただくが 大戦で負ける側に付いてしまった日本の外交の 世界を見る目の無さが悔やんでも悔みきれない。 日露戦争の時に米英の後ろ盾があ…

東京大空襲(1)

戦後生まれの人が多い昨今は60年前の3/10日の 東京大空襲は遠い過去の出来事になってしまった。 私にとっての震災慰霊堂はいつもの散歩コースや 孫たちとの遊び場になっているが戦災に遭った人々 にとって参拝と慰霊の焼香は絶えたことがない。 60年前の今日…

頃は三月

年明けて「一月いぬる、二月逃げる 三月去る」と、とかくなにかと 行事が多く、あっという間に行ったり来たり忙しい日々だったが それも落ち着く頃、花も咲く良い時期だけに「頃は三月、夜は九月」と 一年の中でも最もいい季節とされてきた。江戸の昔は理想…