2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

長寿社会 その十三

最近は北朝鮮の問題もあって憲法問題が激しいが、憲法は一般的道徳や宗教的な聖典でなく日本国民の生命と財産を守るため実用的な方便に過ぎない。戦後の現憲法を制定した作者にだけ将来が見えるはずなく、時代の要請に合わせて憲法の文言を変えるのは当然で…

長寿社会 その十二

昭和は動乱の日々であったが昭和を語るには、その以前を知ることが必要と考える。人間の歴史というものは激変して動いている変動期と一度作られたシステムが長く続く平穏期の繰り返しで日本史で言えば100年続いた戦国時代が変動期で250年続いた江戸時代が平…

長寿社会 その十一

働く人は必ず定年がくる。これは会社の戦力外通知に当る。今は定年が65歳になったが歳取れば体力も能力も落ちて社員はポンコツ化する。それに終身雇用制では高給だから、経営者は退職金払っても体よくお払い箱にするのは当然だ。定年制の始まりは1887年に海…

長寿社会 その十

ボクは戦前の教育を受けましたが、厳しかったが懐かしい。昔の小学校の国語教育はとにかく暗誦でした。教育勅語、般若心経、宣戦布告勅語まで・・訳も分からず覚えました。教育勅語は毎朝の朝礼で校長先生が黒い漆箱に入った勅語の巻紙を丁寧に取り出し一礼…

長寿社会 その九

江戸期に生きた儒学者・貝原益軒が残した「養生訓」には、生きる事への感謝の念を忘れることなく健康で長生きする提案が記されています。それは現代にも通じるものであり、今の健康の源は、この「養生訓」が基本であると思います。その一部「養生一訓」自分…

長寿社会 その八

人生の砂時計は、どれほど砂の残量があるか分からないが所詮は運と思う。余生はお金じゃ買えないが残りはおつりだ。15年前70歳健康診断で血液検査の腫瘍マーカー(PSA)の数値が上がり精密検査で前立腺ガンの告知を受け其の後に全摘出手術をした。手術前には…

長寿社会 その七

ボクは1933年生まれだから20世紀の2/3を生きている。今では日本人が世界一の長寿国なのも国の平和が前提で、戦時なら軍人はじめ民間人も長寿なんて言っていられない。先の戦争のように敗戦国ともなれば多くの人が命を落とす。ボクの生きた20世紀は、まさに「…

長寿社会 その六

総務省は先ほど平成29年度の人口推計を公表した。それによると人口1億2670万で前年から23万人が減少した。そして65歳以上の高齢者は3500万人で全体の27%で、割合の最高を連続更新し続けている。つまり3人に1人が高齢者では今の制度は破綻する。今は一年間に…

長寿社会 その五

ボクには好きな人がいます。え、浮気?そうではありません。秘めた愛しの人ですが、恋の感情を持ち、尊敬もしています。老いた身には路線変更不可能ですが、それで充分なのです。人は何歳まで恋できるのか。繁殖期が決まっている動物はほとんどが、その時期…

長寿社会 その四

歳を取ると欠かせないのが病院通い、体も長年使用するとあちこち部品が痛んでくる。物の修理のよう部品交換なら言うこと無いが、交換が効かない生身の身体の辛いところ、医者の話は「治る病気は病気と言いません。治らないから病気なのです」なるほど言われ…

長寿社会 その三

戦国時代の初期、北條早雲は伊豆に旗揚げし小田原を滅ぼし関東一帯完全を手にしたとき、早雲は既に85歳になっていた。当時の寿命からして稀有の年齢だが、早雲は領民にも優し租税も低く抑え、自らは質素倹約に徹し名君として崇められた。若き日の辛苦が農民…

長寿社会 その二

昔の歌の仲間が亡くなって葬式に出かけた。ボクと同年で長く脳梗塞を患っていたが家族の方の介護の大変さを知る。日本の葬式は大抵が仏教だが、いつも退屈なのは読経で何を話しているのか何の意味なのか、さっぱり分からない。キリスト教のように分かりやす…

長寿社会 その一

ボクも85歳になったが今は現役でも引退を考える。80の坂を過ぎると年毎にスタミナ減少するのが実感する。会社は職人の集合体で出来ている。みんな歯車の一つでその一つも故障すれば会社全体がストップして組織を失い会社そのものが成り立たない。職人のほと…

「小僧シリーズ」 あとがき

落語に「藪入り」の話がある。話の筋書きはさておいて丁稚が待ちに待ったのが「藪入り」で、1/16と7/16の年に二回だけの休暇に親元に帰省するのが許された。当時は通常の商家の子は10歳を過ぎると奉公に出る。平成の平和な世の中では到底考えられない制度だ…

小僧一人旅 その十八

奈良の平城京の昔、都の西に竜田山という山があったそうな・・ときどきに奈良を訪れるときは、祖母の実家に行った思い出や、竜田姫のくれた「縁」が人生に大きく関わった事をしみじみ思う。独り立ち以来、朝から夜まで休みなく仕事に明け暮れた日々は、恋人…

小僧一人旅 その十七

人間万事塞翁が馬で福も禍も予期せぬ頃にやってくるもの・・商いのウェーブも、「こうのとり」の縁も、神様のご機嫌次第で、先が読めない。とくに男と女の間柄は易しそうで、中々難しい。小僧の青春時代に心底好きになった女性は故郷の初恋の人と、雪国生ま…

東京タワー

連休の最終日、孫を連れて東京タワーに遊びました。それにしても人が多すぎて切符買うのに1時間、次にエレベーター達するのに並んで一時間とはとてもじゃないが、タワーに登るのは不可能です。救いは予約してあった「うかい亭」で豆腐懐石で舌鼓を打ちました…

小僧一人旅 その十六

「やさしい人」や「思いやりがある人」とかを相手に求める。でもこれは欲しがるものでない。人に与えるものであって自分が得ようとするものでないと思う。やさしいという字は、にんべんに憂いと書く。つまり人を憂うのが優しさであって優しさは常に人に与え…

小僧一人旅 その十五

史記によると、日本の四季は四人の女神が支配していると信じられた。春,佐保姫、夏,筒姫、秋,竜田姫、冬,宇津田姫・・秋の竜田姫は「織物の姫」で錦織の色彩に山野を染めるが、竜田姫はまた「縁結びの姫」であり小僧に近づいた気がした。最初のお見合いから…