長寿社会 その六

総務省は先ほど平成29年度の人口推計を公表した。それによると人口1億2670万で前年から23万人が減少した。そして65歳以上の高齢者は3500万人で全体の27%で、割合の最高を連続更新し続けている。つまり3人に1人が高齢者では今の制度は破綻する。今は一年間に払う年金の総額は約50兆円というから国家予算の半分にも達している。益々増える高齢者はどうすればいいのだろう。しかし高齢年齢が65歳では今では若すぎる。実際的に10年上げて75歳辺りから高齢者年齢でいいと思う。政府はこの度公務員定年を60歳から65歳に引き上げたが当然に年金開始支給も5年延長する伏線が決まっている。年金の受給年数も少なくなり、単純に計算しても5年程度遅らせることが年金制度の維持と、国債返還にも良い影響するだろう。最近見たビデオ「楢山節考」で年金も保険も無い昔は年寄りは非生産者として間引きされる運命にあった。映画は70歳で村の掟で息子は母を捨てるため背負い山奥へと連れて行く。息子(緒形拳)母(坂本スミ子)の好演が観る人の胸を打つが家族が生きていくためには誰かが犠牲にならなければならない。貧しさは自然と人間との共生の難しさを「姥捨て山」は教えている。西洋の童話に子供を捨てる「ヘンゼルとグレーテル」、東西問わず自然と直接向き合う昔の人の家族観は現代とは違った厳しさがあったに違いない。今では社会全体が年寄りの面倒みる制度になっているが年寄りもそれを当然の権利と思わず社会に対して感謝しなければ罰が当たる。北欧の老人施設は優れたものがあるが、それに見合う税金は重くて、デンマーク・スエーデン・ノルウエーなど消費税は軒並み25%課している。選挙になると政党の中に増税反対、福祉優遇などツジツマ合わない公約は選挙目当てで実に情けない。今でも3人の若者が1人の年寄りを面倒みているがそろそろ限界だろう。正念場は待ったが効かない!