長寿社会 その七

ボクは1933年生まれだから20世紀の2/3を生きている。今では日本人が世界一の長寿国なのも国の平和が前提で、戦時なら軍人はじめ民間人も長寿なんて言っていられない。先の戦争のように敗戦国ともなれば多くの人が命を落とす。ボクの生きた20世紀は、まさに「戦争と革命の世紀」だった。戦争と革命により多数の人命が失われた人類史上未曾有の悲劇が起こった世紀といえる。この世紀に2度の世界大戦を経験した。資料によれば第一次世界大戦は900万の戦死と民間人も50万人が犠牲になり死亡し、第二次世界大戦では戦死者2700万人にのぼり、民間人も2000万人が亡くなった。二つの大戦を合わせると約6000万人に達する膨大さになる。だからこそ戦争の悲劇と残虐さは歴史に記されただけでなく体験話や小説や映画や演劇になって繰り返し語られてきた。20世紀は、また革命の世紀でもあった。ナチスのドイツではユダヤ人を中心に強制収容所などで500万人を殺害したが、しかし殺人数でいえば共産主義革命の方がはるかに大きい。1997年に、フランスで発行された「共産主義黒書」によればソ連スターリンによる粛清、中国の毛沢東文化大革命の20世紀の共産主義によって殺された人の数は概数だけでもソ連2000万、中国6500万、ベトナム100万、北朝鮮200万、カンボジア200万、アフリカ170万、アフガニスタン150万・・その他合わせると共産主義による殺人は1億を超えている。その残酷な共産革命なのに何故か歴史書から外れている。マスメデイアも20世紀の戦争の惨禍を強調するばかりでその2倍の規模の命を奪った共産主義犯罪を隠蔽するのは歴史の公平に反する。ロシア、中国、北朝鮮ではスターリン毛沢東金日成の遺体を永久保存する意図が分からない。そして共産主義とは、かくも恐ろしい思想だと胸に刻みたい。