長寿社会 その一

ボクも85歳になったが今は現役でも引退を考える。80の坂を過ぎると年毎にスタミナ減少するのが実感する。会社は職人の集合体で出来ている。みんな歯車の一つでその一つも故障すれば会社全体がストップして組織を失い会社そのものが成り立たない。職人のほとんどが年寄りで既に帽子メーカーは絶滅危惧種になり、先が見えている。若い人には辛気臭い話だが老人の愚痴を聞いて貰いたい。少子高齢化は益々進み日本は老人の国になるのは必至で人口で最も多い団塊の世代後期高齢者になる75 歳に到達する年が2025 年でありこの年にまさしく超高齢社会がやってくる問題は避けて通れない現実まで時間が残り少ない。いわゆる老人の人口が爆発的に激増して老齢化社会になる。65歳以上の人が人口の五分の一になる時代は老人の定義も年齢アップして10年ほど先延ばしにしなければならないだろう。現に定年の60歳ではまだまだ人生の油が乗ってきたところで大抵の人は心も体は衰えず仕事を辞めるなんてもったいない。先ほど発表された長寿者名簿によると100歳以上の人口は7万人近いとか・・中々お目出度い話だがその生きる中身が充実したものでなければせっかく長生きした価値が半減する。長寿の幸せは単に長生きだけでなく生きる充実感が欲しい。ボクが100歳生きるとすればあと15年だがそれは1/2000の確率で、その幸運は宝くじの1億円を当てるより難しいだろう。それより残された日々を誰の世話にならないで生きる算段をしなければならないとつくづく思う。それには健康第一主義で運動、食事、規則正しい生活の他にも自分で出来る事柄を全てするのは必要だし、男も家事一般、掃除、炊事、洗濯・・人に頼るのでなく自立の心がないと生きる力が萎えてしまう。社会の構造もこれからは老齢化が進み福祉や年金も徐々に制限される時代がくるのは間違いなく昨今の好景気の反面、石油高騰からのインフレ懸念が心配の種だが、介護保険の負担増し、消費税増税、年金減少の覚悟も必要になってくる。健康を保つこと、無駄遣いしないこと、思考を持ち続けること、残された人生を充実させるには己の生き方に懸かっている。