長寿社会 その九

江戸期に生きた儒学者貝原益軒が残した「養生訓」には、生きる事への感謝の念を忘れることなく健康で長生きする提案が記されています。それは現代にも通じるものであり、今の健康の源は、この「養生訓」が基本であると思います。その一部「養生一訓」自分の体は自分だけのものと思い、勝手気儘に自堕落な生活をしてはいけない。自分の体は父母がこの世に残してくれたものであり、またその子へと残すものである。であるから体を損ね若死にはいけない」「養生三十八訓」人の欲望には限りがないが人の命には限りがある。限りない欲望に限りある生命力を使うのは間違っている。養生の道は自然にたやすく使えばいい」「養生百五十九訓」生まれもっている寿命を延ばすための薬というものはない。長生きのためだの薬の効果はない。養生とは生まれもった寿命をそのままたもつことである」ご尤もな貝原益軒先生の言葉だが、難しい訓えではなく、普通の当たり前のことを言っているだけの養生訓」だろう。しかし人は当たり前のことが最も苦手で出来ないのです。人は生まれること自体が凄いラッキーに恵まれたことを知ろうとしない。男が長い歳月の中で好きな女と巡り合い或る日の愛の最中の何千万という精子の中から、たった一匹が女の卵子に辿り着く。卵子にも都合があるだろう。あなたもボクもそんな天文学的な数字の中から生まれた超果報者であることを忘れては罰が当たる。命はひとつ。現代の医学も大切だが源の貝原益軒「養生訓」も知ろう!