隠居の独り言(801)

趣味のギター弾き語りはラテンの歌が一番の好みだが歌詞の殆どがスペイン語になる。
当然ながら中南米の国々はブラジルを除いてスペイン語圏なので当地で生まれた歌は
スペイン語で歌われる。スペイン語に無学な私も言葉の語感の響きはとても心地よく
歌詞は一応辞書で調べるが、曲の内容を少しでも把握していないと歌心が伝わらない。
話がそれるが、どうして中南米諸国がスペイン語圏になっているのか?コロンブス
アメリカ大陸を発見したのは1492年だが、日本では戦国時代の真っ只中にあった。
当時のヨーロッパは東洋からの香料の輸入がイスラム諸国に邪魔され、交易路を求め
海に面したスペインとポルトガルが外洋に向かって航行し、スペインが発見したのは
カリブ海で、ポルトガル喜望峰を廻ってインド洋航路を発見した。両国は全世界を
独占しようとカソリック教皇口説き落として有名なトルデシリャス協定が出来る。
この協定は大西洋の中間点に線を引き西側をスペインに、東側をポルトガルの領土と
決めたという。教皇は神による浄化がなされていない野蛮な地は征服してよいとする。
ふざけた話だ!大西洋の南北に引いた線は南米大陸の出っ張った部分がポルトガル
ブラジルに入り、残り全ての南米大陸はスペインのものとされた。その後スペインの
征服者たちはアステカとインカの二大文明を亡ぼし原住民を抹殺して大陸を統治する。
書きたい事は山ほどだが、主題のラテンギター弾き語りから離れるのでこれで止める。
以前は独りの弾き語りだったが今はDuo Esperanzaのご好意で仲間に入れていただき
本場のマエストロの指導でラテン音楽の技術と演奏を充分に堪能させてもらっている。
一口にラテンといっても、その地域は広大で様々な人種が織り成すラテンアメリカ
本質や人達の心情を知るのは不可能だが、音楽は体が自然に踊りだすようなリズム感、
中には人種間の苦しみ、甘く切ない恋の歌まで範囲は膨大で聴けば心底から癒される。
聴くもよし、演奏もよし、ラテン音楽を趣味に持てて良かった・・つくづく思う。