ヴェルレーヌ「秋の歌」
「秋の日のヴィオロンの ためいきの身にしみて
ひたぶるに うら悲し。・・・上田敏訳詩
こんな季節になりましたね。私が中学生のとき教科書に
書かれていたこの詩は文学に凝っていた少年の感傷を
これほどに掻き立てられた詩文はありませんでした。
当時の教科書は紙質も印刷も悪かったけれど何故か
このページには挿絵があって夕焼けの山の稜線に雁が
飛ぶ情景がカラーで印刷されて今も目に浮かびます。
「山のあなた」は晩秋の一幅の絵画のような美しい
詩ですがこの年になってつくづくとヴェルレーヌや
上田敏の「うたごころ」が分かる気がしています。
小春日和、夜寒、時雨、木枯らし等々十一月の季節の
移ろい変わりは人生の歩みに似ているのでしょうか。