谷川俊太郎の詩

harimaya2004-11-08

パウル・クレーの絵に彼の詩が書いた絵本がある。
「おなかをすかせたこどもは
 おなかがすいているのでかなしかった
 おなかがいっぱいのおうさまは
 おなかがいっぱいなのでかなしかった」
スイス生まれの版画家クレーの絵はメルヘンチックで
深い詩情が漂い見る人々の気持ちを癒し慰めてくれる。
谷川の詩も哀愁のなかに世界の縮図を見る思いがする。
今、世界の人口約60数億人の20%が飢え20%が飽食し
60%が「その日暮らし」で、その不公平は広がるばかりだ。
人は生まれるとき親を選べないように幸も不幸も選べない。
競争社会の中で生きていく以上、個人であれ国であれ
強さも弱さもしかたのない宿命的なことかもしれない。
新潟の災害を見るとき人は所詮“運”なのかと考えてしまう。