小僧(28)

竹が生長する過程で“節”を付けていくように人の一生も
“節”を付けながら生涯を送るものだと思う。そのときは
気が付かなくても、あとで振り返ってみたら“節”だったと
思い起こすことは誰しもが経験することかも知れません。
人は知らず知らずのうちに自分を作っているのでしょうか。
父母の心配も考えたが、上京して10年以上も経ち幼かった弟妹も
それぞれに大きくなって私の居場所は既に無くなっていた。
会社に戻ったとき皆が歓迎してくれてとても嬉しかった。
しかし自分の置かれた立場や、今までにさんざ迷惑を掛けた
会社に対して、これ以上の長居も無用と社長に相談をしたら
人手不足のことや私の仕事の受け継ぎの人が見つかるまでとの
お話しで一、二年お世話になることにした。独り立ちの夢を
少し削がれた思いだったが、準備期間を頂いた事が良かった。