春の気配

病に臥して一日中庭を眺めているとときどき鶯のカップルが姿を見せて
気持ちを癒してくれる。でも一度もホーホケキョを聴いた事がない。
この季節は一日二分のペースで昼が長くなっているのだそうだが
鳥のさえずりは気温の上昇より日の長さに合わせているらしい。
そこへくるとヒヨドリは万両の実を食べモクレンのつぼみを啄ばむ。
なんとも憎いが必死に生きる地球の一員だから仕方のないところか。
土に埋め込んだ火鉢の池の金魚も動き始めて体をほぐしているようだ。
猫の額の庭も三寒四温の寒が取れて春の到来をひたすらに待っている。