古希

先日、齋藤実さん(71)がヨットによる単独無寄港世界一周を成し遂げた。愛艇の名は
酒呑童子Ⅱ」で彼いわく「勇気と冒険心のなかにこそ青春はある」格好いいねぇ・・
お酒と海をこよなく愛して、生涯青春の志で歩む彼の人生観に、あらためて感動を覚える。
昔は「人生古来稀なり」と唐の詩人杜甫が詠んだらしいが、その頃の日本も万葉集
時代だから70年も生きるのは神秘的なことだったろう。今ではその言葉がそぐわない。
私も古希を過ぎて年金をいただいている身だが、先日の新聞にうまいことが書かれてた。
「百歳は稀なり九十は奇とするに足る無し八十は大いに為すべし七十は得ること多し」と
何年か前、明治の元勲陸奥宗光のお孫さんの陽之助氏が92歳で結婚されたニュースを
聞いたとき、なんと素晴らしき人生を歩まれているか感心したものだったが、映画会社の
現役社長さんで頭脳は明快、話題は豊富、日英混血の美男子とくれば、たとえ92歳でも
女性に魅力を感じさせ、結婚する見事さは、トシだと騒ぐ古希など洟垂れ小僧に過ぎない。
本屋さんを覗くと老後の生き方の本が多々あるが、それぞれに体も心も違う個体だから
参考になるようで、得るものが少ない。たしかに人間も細胞という部品の集合体だから
肉体も長年に使用していると部分的に傷みも出てくるし、全体の老化は避けられない。
人生がいつ終えるかは運としか言えないが私はまだ老後を語る資格はないと思っている。
題は忘れたがシャンソンの歌詞で「誰も天国へ行きたい、でも死にたくない」があったが
どんな苦労も生きてこそ天国、生きる喜びを見つけることが、生きる証しと思う昨今だ。
私は弾き語りのとき、いつもキューピットが前に座っているような気持ちで歌っている。
現実の恋は難しいが、時代が変わろうとも、恋することは男も女も、つきることはない。
それが何時も若く美しさを保つ秘訣だと、勝手な恋に自分を見て妄想を楽しんでいる。
いつの日か、三途の川を渡った時、閻魔さまに、こっぴどくお叱りを受けるだろう。
このバチアタリめが(-_-)/~~~ピシー!ピシー!