韓国と台湾

1945年までの日本地図は朝鮮半島も台湾も赤い色で塗られた日本の一部だった。
敗戦で領土をそれぞれ元の国に割譲されてしまったが、その後たどった韓国と台湾の
運命は列強の意思のままに翻弄されて、決して国民の望む国家のあり方になったとは
思えない。朝鮮半島は南北に両断され、台湾は中国の一部だと脅迫され続けている。
このほど日韓共同歴史研究の報告書が発表されたが、案の定、相当に考え方の開きが
あって歴史に対する見方の差が明らかになった。日本は実証的、客観的に歴史を直視
しているのに対し韓国は観念的、政治的に捉えているのが主たる原因だが、過去の
事実は変えようのないものだから、それを見つめる度量が韓国は熟成されていない。
たしかに朝鮮半島には過去に新羅百済渤海、高麗、李朝鮮など国家が存在して
自意識の高い人々を日本が併合したから、プライドの面からも容認できないことは
分かるが、正確に過去を分析し温故知新の雰囲気を熟成しないと大きく前へ進めない。
その点、同じ日本領だった台湾は、最近では中国から逃げてきた国民党支配からも
解放され日本統治時代も正しく教えられて、今では非常に親日的な隣人国家である。
共産中国が、台湾を国連から追い出したのは1972年のことだったが、それが成功
すると今度は「台湾は中国の一部だ」と言い出した。日本もアメリカも対中政策上
これを認めて台湾と断交して、世界の大半が徐々にそれに追従していったけれども
中国は、いまだかつて歴史上一度も台湾を領有したことも、占拠したこともない。
人種的にも戦後に漢民族が大陸から大勢入ってきたが、元々は高砂族が主人公で
ここ数百年来オランダ、海賊鄭成功、日本に治められたが「台湾は中国の一部」は
共産国家の大陸に住む13億人を治める対外政策の方便に過ぎないことを知るべきだ。


「日の丸と軍歌に酔いて征きし駅、今夢のごと陸橋を見る」
天皇を神と思いし、かの日々を空ろなりしと我は思わず」  台湾万葉集より