野球

私は若い時からの阪神ファンである。別当、藤村、土井垣のころには
ダイナマイト打線と言って、対巨人戦のときなど雑音のするラジオで
胸ときめかせて聞いていた。相手は与那嶺、青田、川上で源平合戦の
ように関東は巨人、関西は阪神の地域別対抗のような雰囲気があって
プロ野球は今よりもっと地域に根付いてオラが町の野球のように栄えた。
阪神は毎年のようにスタートが良くてファンをその気にさせて最後は
他チームに捕まり夢だけ見させてくれる夢球団だ。今年もまた伝統？の
展開が進んでいる。それが浪速っ子の弱きを助ける義侠心なのだろうか。
昔の少年たちは選手を夢見て原っぱの練習でその喚声は日が暮れるまで
続いていた。けれどいつの日か野球少年の姿を見かけるのが少なくなり
球音も喚声も聞こえなくなって元気印の男の子は消えた。原っぱの減少、
塾通い、ＴＶ観戦、サッカーの普及等々原因は多々あるだろうが、そこへ
高校野球の明徳高校の不祥事などが発覚してますます人々の野球離れが
加速するだろう。なかには甲子園を学校のＰＲの場として選手発掘に
力を注ぎ込み金銭授受や学費免除などの行為も常態化しているらしいが
自らの首を絞めることにもなっている。高校野球を元から見直すべきだ。
話しが変わるが野茂英雄をとても尊敬する。デビルレイズを解雇されて
自由契約でヤンキーズのマイナーになったがまたも打たれて後がない。
日米通算201勝、奪三振王、新人王獲得、ノーヒットノーラン達成等の
偉大な投手も36歳の年齢には勝てず、球界から消えようとしているが
奢らず下手な言い訳もせず男の中の男一匹だ。日本人にとって大リーグの
先駆者であり彼がなければ今のイチローも松井も無かったかも知れない。
ご苦労さま、こころから労いたい。