長寿社会(2)

年を重ねてくると仕事関係も友人も自分より年下の人と付き合うことが
多くなって新しい情報が得られるのはとても嬉しい事だ。最近のように
情報化が加速的に早くなって行くと付いていくのは難儀な事もあるが
好奇心さえ失わなければ、なんとか仕事も趣味もこなしていけそうだ。
同年輩や年上の人との昔の話しは安心感があっても新しい発見はない。
以前に同窓会に出席したが一通りの回顧の話題が済むと、家族のグチ話
病気の話、人の悪口など語らいの最後は「昔はよかった」で一段落する。
老いる辛さを、余計に辛くさせている気がして其の後何度か招かれたが
お断りをしている。最近では70歳も過ぎるとインターネットや携帯等
先端的な機械から取り残された人も多く、昔の価値観にしがみついて
思考能力を衰えさせているが、若い人と付き合う事でナイーブな感覚や
考え方も教わる事になる。世の中の変化に対応するには積極的に学習の
グループなどに入って脳の活性化を若い人に手伝ってもらうのがいい。
時代の流れが停滞していた昔の年寄りは若い人から尊敬の念を持たれた。
長年の習慣とカンは年寄りの特権だったし、若い人もそれを引き継げば
世の中は円く収まった。考えてみれば今の年寄りは可哀想な気がする。
「老いて恥多し」で若い人とは価値観が合わず粗略にされて孤独感に
苛まれ、心身ともに老いを深めていく姿は生きる厳しさを見る思いだ。
年とともに頑固になって他人のことは分かるけど自分がわからない。
老若が共に生きるには、恥を恥とせず、年を重ねた事を誇りに思って
正直に自分の考えをぶつけてみよう。前向きとは、そこから始まる。