人口減少時代(1)

今、5年に一度の国勢調査が行われているが来年をピークに日本の人口は
減少の一途をたどるらしい。現在の人口は約1億2800人だが40年後には
3割減って1億人を切り、其の後も人口減少の推移は変わらないだろう。
思えば私が小学校に入った頃は(1939年)日本の人口は1億と教えられた。
当時は朝鮮半島、台湾、樺太南部は日本領だったので現在の日本本土に換算
すると8000万人ぐらいと推定される。子供の頃見た風景は、自然が一杯で
山川は美しく空気は澄んでいた。原っぱがあちこちにあって子供の遊び場は
事欠かなかったし小動物や虫などに触れる機会も多く「兎追いしかの山」は
すぐそばの雑木林に点在した。人口の増加がもたらす影響は、経済成長には
必要かもしれないがその反面自然を破壊し人の心も貧しいものにしてしまう。
自然の摂理は上手くしたもので誰が決めて、誰が計画したものでもないのに
そのように人口減少傾向に日本が流れていくのは不思議といわざるを得ない。
政府はしきりに少子化対策の法案作りに頭をひねっているがそれは税収不足
からくる心配で、人口が減れば政府も小さくすればいいのであって自分達の
既得権の先行きを人口減少のせいにするなんてピントはずれもはなはだしい。
晩婚化や少子化は社会の都合や政府の方針で決まるのではない。要するに
結婚しようと決心する相手が見つからないからで、今は男も女も若いときは
ただ群れて遊びに夢中で所帯を持ち子供を育てる本来の生きかたを知らずに
過ごしているからで、男は男らしく女は女らしさが欠けてきた時代の変化に
他ならない。つまり、いい男いい女がいないという単純な問題なのだろう。