人口減少時代(5)

経済界では将来の人口減少を見越して活動が始まっている。地価は下がり続け
土地を多く持つメリットがなくなり、設備の改革は労働人口の減少に対応して
合理化が進んでいる。人口の減少が経済の縮小に繋がると心配する人もいるが
既に日本の輸出は大量の工業製品よりも付加価値のある文化的製品に変わって
量より質の時代に入っている。例えば中国のように人海戦術でモノを生産して
巨大マーケットを作ろうとしている国とは違って、小さくてもいいものを作り
質の経済をめざしていけば、むしろ人口は少ないほど好都合ではないかと思う。
日本の匠の技術は世界に冠たるもので、どんなモノヅクリもひけをとらない。
トヨタのハイブリットは今まで欧米では関心が無かったらしいが石油の高騰や
やがて枯渇の問題にも日本は先端を行っている。精密機器、電気製品、バイオ
等の技術進歩は国際的にも抜きん出て最も豊かな国の存在は世界に類を見ない。
国際社会はトゲだらけだが、日本は人種も宗教も同一で長い歴史に培養された
文化の高い国家は、世界的にも稀有の国であることに誇りを持ちたいと思う。
子供のいる所帯が三分の一を割り込み、しかも平均児童数は約1,5人しかない。
孫を膝に抱いて老後を楽しむ昔ながらの老人像は既に過去の風景になった。
日本人に生まれた幸せを充分に自覚できるような社会がやってくるだろうか。
人口減少も、けっこうではないか!  きっと世界中が羨むに違いない。 了。