内憂外患(2)

外国を旅した旅行記やエッセーなどを読むと、市場などで買い物したときに
まず価格の交渉から始まり、人のいい日本人は値切って安く買ったつもりが
結局は高く売りつけられて、後で悔しい思いを味わうのが多いと書いてある。
デパートやスーパーの定価販売に慣れている日本人は外国では危ないものに
手を出さないのが身の安全だが、相手を騙すポーカーフェイスが習慣の国は
子供の頃から身について商売に限らず、政治の世界でも交渉のときは、まず
虚構を張り相手を恫喝して、それから話を進めていく高等戦術には、日本の
外務省のお坊ちゃん役人にはとても歯が立たない。例えばこの度の、国連の
常任理事国入り問題も採決の前にAA諸国に「援助をしますから一票を」と
援助額も決めたと言うから開いた口が塞がらない。なぜ「理事国になったら
援助」と言えないのだろうか。結局、理事国の話は流れ援助金は残っている。
中国などは日本からのODAで2兆円の援助を受けながらも理事国入りには
感情を高めて反対する意図はアジアで唯一の理事国の立場にいたいからだ。
まして最貧国の債権放棄で日本が世界で一番の8000億円の放棄が決まった
らしいが、全て血税であることを役人たちは認識をしているのだろうか。
たしかに人種も宗教も違う人々と暮らさなければならない大陸の人たちは
利害を巡る駆け引きは、同一人種の日本人とは比べ物にならない老獪さに
長けているだろう。けれどそれが世界の常識となれば日本だけがいい顔を
することはない。外務省の役人は彼らの爪の垢でも煎じて飲むといい。