内憂外患(11)

先日イラクの新憲法が承認されてこれから民主国家が新たな歩みをする
わけだが誰も上手くいくとは思っていない。だいたいイラクという国は
民族や宗教が雑居して国境線そのものもヨーロッパ植民地時代の名残で
日本のように一民族一国家の形態がなされていないのだから地域紛争は
とどまる事はないだろう。いっそ民族ごとに分割すればいいと思うが
おたがい欲のツッパリでそうもいかないのは人間の悲しいサガなのか。
アメリカも戦争でフセインを倒したまでは良かったがあとがいけない。
戦争をやめる難しさは、ベトナムのときに大変な経験をしたはずなのに
それが生かされずに大国の威信が邪魔をしているのか兵を引き上げる
ことが出来ないジレンマに陥っている。開戦以来の米軍兵の死者数が
2000人に達したのに出口が見えない。小泉首相ブッシュ大統領
仲が良いのだから新憲法が出来たこの機会に訪米し膝詰め談判をして
花道を作ってあげればいいと思う。お互いに男が上がるのではないか。
日本もかつて偶発的な盧溝橋事件から日中戦争が泥沼化して、やがて
太平洋戦争に突入していく過程と、敗色が濃くなった時点でも終戦
時機を逸して多くの人命を失ったことは悔やまれるが、いかに戦争の
終わりが難しいかを物語っている。イラクイラクに任せればいい。
自衛隊派遣もそろそろ機が熟している。