内憂外患(21)

先月ダイエー創立者中内功さんが亡くなられたが一代で巨大資産を築き
「消費者の英雄」ともてはやされたが、それが消えて元の木阿弥になって
無くなっていった。店舗数が徐々に減っていくがいつか消滅の運命だろう。
拡張路線を突っ走り、気がついてみたら借金の山は国の事情にそっくりだ。
国のダイエー化は政府も国民も分かっているのにずるずると先延ばしにして
消費税の問題にしても議論が割れているが小手先論をしている場合じゃない。
国の破綻が目前に迫っていることを何故に真剣に考え対処しないのだろう。
遅れれば遅れるほど負債が増えていくのに何故か政治家は口を噤んでいる。
1千兆円の国債の処理は誰がどう考えても解決不可能は分かりきっている。
消費税も20%以上の増税が避けられないだろうし国のサービスは低下して
場合によっては個人の預金封鎖だって考えられるだろう。ダイエーも何度か
危機を迎えたのに先延ばしに後手に回ってにっちもさっちも行かなくなった。
小泉首相は威勢のいい割に優柔不断のところがあって決断がなかなか下せない。
閣内には増税の慎重派と積極派に分かれているらしいがもう待ったはきかない。
いずれにしてもプライマリー・バランス(基礎的財政収支)は増税をしないで
黒字にするのは無理なことは分かっているのだから「総理在任中は増税しない」
なんてイキがらないで国民には詳しく説明して実行するならしたほうがいい。
先の総選挙で圧勝した今だからこそ出来る、官のリストラも族退治も、そして
増税も一気呵成のチャンスは二度とない。成功すれば歴史に残る名宰相として
語り継がれるだろう。ぜひダイエーの崩壊を教訓にしてほしい。