内憂外患(25)

日米関係を強固なものにするためにブッシュ大統領が訪日して京都で演説した。
第二次世界大戦のとき私の父と小泉首相の父は敵味方同士だった。今日その
 息子たちは両国で選ばれたリーダーとして国際社会における親友の一人だ」
大統領は演説が上手い。手みじかに日米関係の歴史を語る最適の言葉だと思う。
小泉首相も「日米が良ければ中韓はじめ世界各国とも良好な関係が出来る」と
返したのはなかなかの見識だ。といっても表向きばかりではない事は厳然とした
事実でイラク、米軍再編、牛肉、アジア外交など抱える問題は山積している。
日本は島国である以上は七つの海を制覇している米英のアングロサクソン国家と
手を結ぶのは国家の繁栄には絶対に欠かせない。戦後、国家が二分割にされた
ドイツと朝鮮半島を見れば一目瞭然で、もし日本が戦後の時にソ連と手を組めば
今の自由も繁栄もなく惨めなものになっていただろう。私自身60年安保闘争
時は左翼寄りでソ連の原爆は平和のため、アメリカの原爆は戦争のため、と思い
全学連を応援したものだが浅はかだったと反省する。歴史の道標を間違いなく
導いた当時のリーダーは偉いが、一歩進んでもっと強固な日米関係にするには
安保の片務的な部分を改めて集団的自衛権の行使を法律的にもしっかりと定める
努力が必要だろう。戦後は護憲が正義であり、原爆は廃棄が正義であると言われ
続けられたが、そろそろ甘くない世の中の現実を直視する機が熟したともいえる。
日本の常識は世界では通らない。