内憂外患(29)

先日のアメリカの某雑誌の「最もセクシーな男性像」で米国人以外の男性には
俳優の渡辺謙さんが選ばれたそうだ。映画「ラスト・サムライ」の印象からか
セクシーとはほど遠い「武士」の姿が欧米の女性から好かれるとは日本男性も
見捨てたものでないと少し嬉しくなった。古風な武士道は強く謙虚で清いのが
美学の一つだが日本人の気質はあまり自らを主張しないでいつも控えめなのが
たしなみと教えられたのも少しは世界の人々に分かってもらえたのかどうか。
アメリカで活躍する松井やイチローはインタヴューなどではあくまで物静かに
話しているが、我を抑えて信念を内に秘める日本人の道徳を理解してくれる
人々が多くなってきているのは事実だろうし、彼らの果たした役目は大きい。
最近はとみに女性が社会進出して、その業績や成果は素晴らしいものがあるが
その反面男性から見て女性特有の優しさやしなやかさが物足りなくなったのは
否めない。それは男性にも言えることで内面に秘めた我慢強さや逞しさと共に
男性特有の優しさが欠けてきていると思う。戦後の甘いしつけのせいなのか
ジェンダーフリーなんてわけの分からない思想のせいなのか、ともかく男は
男らしく女は女らしく自然の法則に帰る事が求められている結果なのだろう。
私の若い頃の理想の男は「三船敏郎」女は「吉永小百合」だった。