内憂外患(31)

皇室典範に関する有識者会議皇位継承資格を女性や女系の皇族にまで
拡大することを求めた報告書を首相に届けられた。過去には女性天皇
推古、明星天皇など8人がいたが女系天皇は歴史上存在しないそうだ。
報告書によって皇室典範が改正されれば現在は皇位継承資格を持たない
皇太子の長女愛子さま皇位継承順位は皇太子さまに次いで二位となる。
そして愛子さま皇位を継承し、その子供が即位すれば歴史上初めての
女系天皇となるわけだが今までの男系の継承権から皇室の伝統が大きく
転換する時代が来たといえる。けれども後継者問題はなかなかに難しい
ところがあって現在では皇太子、秋篠宮常陸宮三笠宮父子、桂宮
順位だが一番若い秋篠宮でも45歳だから後の事を考えると心配だ。
その意味では世界最古と言われている日本の皇室に皇位継承の危機が
来ているのかもしれない。女性、女系天皇の容認、継承は第一子優先を
決めておけば万世一系が保たれるだろう。世界の主な王室はネパールや
マレーシアは男子のみ、イギリスやスペインは男子優先、オランダや
ベルギーは第一子優先だがオランダ型になるのだろうか。さかのぼって
2000年以上とも言われる日本の皇室は「君臨すれど統治せず」の考えで
長い間に日本人の心に根付いて権力者が出ても臣下として皇室を敬って
世界でも稀有な存在として今に至っている。世界の歴史を見ても王室の
ほとんどは王様=専制者で栄枯盛衰の繰り返しであったが日本は違って
いた。そうした長い伝統を踏まえて、さらなる議論を重ねていい知恵が
生まれることを望みたい。