内憂外患(34)

世界の三大宗教はユダヤ、キリスト、イスラムだが共通して言えるのは
一神教絶対神であり発祥の場所は一面の荒野や砂漠の不毛の地が多く
人々の厳しい暮らしの中から自然発生的に信仰が生まれたものだろう。
旧約聖書ユダヤ教聖典だが、キリスト教は彼の死後に弟子によって
広められイスラム教はそれより600年後にムハンマドによって興された。
いずれにせよ「唯一絶対神」の川は一本でヤハウェもエホバもアッラー
同じ神なのだろうしそれは地球の万物の創造者であって宇宙をも支配する
壮大な絶対神に違いない。信仰心の深さは我々日本人の想像もつかない
くらいに生活に根付き大きな心の支えになっている。緑豊かな自然の中で
八百万(やおよろず)の神様が生まれた日本とは宗教との付き合いかたが
まるで違うのは、生まれも育ちも環境が違うのに関係があるのだと思う。
史実をみても日本はまず天皇を立て絶対的な独裁者が生まれなかったのは
自然を愛して温厚でおとなしい国民性によるもので一神教の強い支配者を
求める民族とはおのずと違うことを知らねばならないだろう。地球上の
人口の大半が一神教であるならば、世界の中で日本の常識が通らないのは
当たり前で宗教観からくる荒っぽい神経の太さに対抗するにはそれなりの
度胸と強さを持たないと負けてしまう。宗教を論ずるのは難しいが靖国
問題ひとつもそれぞれの死生観の違いから来ている。