内憂外患(42)

最近の企業業績の景気回復の兆しの前ぶりのような期待感で株高が続いている。
平均株価はバブル最高期よりはまだ半値だが、時価総額は85%までに回復して
その活況はまさにミニバブルの状況と言える。かつてのバブル時期に高い値で
買って、あれよ、あれよと値下がりして塩漬けにした株もやっと陽の目を見た
一般投資家も多い事だろう。会員権や不動産などは当時から見れば目を覆う
ばかりだがこのところの株高で景気にやっと明かりが見えてきた感じがする。
けれど諸々の債券は紙切れ同様、銀行の定期預金の金利は有って無いがごとし。
土地の価格は都心のほんの一部は上昇気分だが地方では先が見えない状況では
お金の行く先は株式に辿り着くのは自然の流れだろうか。あの乗っ取り事件の
せいか安い配当金も微増して株を持つ楽しみは増えている。証券会社や銀行は
盛んに資産運用セミナーなどを開いて多くの顧客を呼び込もうと躍起だ。
人々はバスに乗り遅れまいと最近では若い女性も積極的に情報を集めている。
株式のみならず不動産投信先物取引、外貨預金、外貨債券など投資物件は
多様化して将来の収入拡大期待は高まるばかりだが、このままの一本調子で
右肩上がりはとても考えられないしリスクを見極める目が求められるだろう。
経済は生き物だ。生きている以上は元気な時もあるし不機嫌な時もあるはず。
たしかに株価も長かった冬眠から覚めて春の暖かい風に動き出したと言える。
けれど春の嵐にはくれぐれも注意が必要だ。