内憂外患(44)

今年の冬将軍の到来はいつもの年よりお出ましが早いようだ。ここ東京でも
平年よりも22日も早く初雪が舞ったが、地球温暖化のシッペ返しかもね。
けれど冬の到来はコヨミだけでは無さそうで、先生が忙しい「師走」の言葉も
世間では悪い「師=士」に踊らされて右往左往しているサマは日本人の心情も
随分と地に堕ちたものだと考えたくなってしまう。話題沸騰の耐震建築問題は
金儲けのためならば相手の財産、生命などは念頭に無く、荒い利益をむさぼる
悪魔の集団としか映らない。較べる事もないが例えば、弊社の製品は縫製中に
折れたミシン針一本、小さな付属の一点でも品物の中に置き忘れたとしら、
お得意さまから厳重注意されて即取引停止となる。それは消費者を傷つける
恐れがあるからで、それだけに細心の注意をしながら何度も検針器に掛ける。
製品の安全に留意することは会社として世間で営業できる義務以前の問題で
人が安全に住める場所の、建物の問題はそんな生易しいものではないはずだ。
悪徳建築士、悪徳税理士それに加えてニセ医者やニセ弁護士なども出てきて
世相の悪化はどうしてしまったのだろう。「師=士」とはいったいなんだろう。
ニセ医者は8年間も病院に勤務して年収2000万円もあったとかであきれる。
そろそろ「資格」そのものを考えなければならない時に来ているのだろうか。
「資格」には「心の内面」が反映されていないところが大きな問題だと思うが
ペーパーテストだけで資格を与える安易な考えが、さまざまな悪い事件を生む
背景にあるのを知るべきだ。「先生」と称されるにはそれだけの優れた体験が
必要だと思うが学校を出たらすぐに先生とはお寒い限りだ。「シャチョ〜」と
夜の巷で呼ばれる先生方は今夜も公費なのだろうか。社長と先生はバカチョン
カメラのようなものだ。構造改革も結構だが免許制度改革も急がれている。