内憂外患(46)

家庭内でも友人関係や仕事仲間でも長く付き合うのは良いモラルが必要だ。
みずほ証券の大量誤発注問題で相手のミスに付け込んで同業者から荒稼ぎを
した証券業界の連中はどのような神経で証券市場を考えているのだろうか。
その道のプロだったらすぐミスを気づくのは当然なのに誤発注を知りながら
気違いのように買い進める自分勝手さに証券マンの倫理観が問われるだろう。
しかも野村、日興、モルガンなど一流の会社までが参加したと言うのだから
あきれるばかりだ。最近の日本証券業界では「貯蓄から投資への合言葉」の
もとに多くの顧客が集まって来ている矢先の出来事だけに証券業界のモラル
欠如は市場の不信感は増すばかりで「生き馬の目を抜く」行為は酷過ぎる。
相手のミスに付け込む油断も隙も出来ない世は泥棒と隣り合わせのようだ。
今朝の報道では一部の会社は返還するそうだが世間の批判があってのことで
それなら最初から買うことを控えるのが、その道に生きる義理ではないか。
コンピューターの発達は便利になった反面,人情味を失った気がしてならない。
以前の「場立ち」のように人の手を経るだけで市場の雰囲気も臨場感が出て
株式取引らしく人々はミスに気がついて紳士的に取引にならなかったろう。
人間がコンピューターに使われる、昔見たチャップリンのモダンタイムスを
思い出した。