隠居の独り言(5)

今年はモーツアルトの生誕250年と言われて彼の音楽に世界中が酔っている。
演奏、CD、著書等この一年はモーツアルトを聞かない日が無いかも知れない。
たしかに最高の癒しの音楽で私も毎日、孫のピアノでモーツアルトを聞ける
幸せを持って暮らしている。この華麗な音楽を作り出した天才は後にも先にも
二度と再びこの世に生まれないだろう。それにしても、たったの35年の命は
なんとしても勿体無さ過ぎて言葉もなく最後は経済的にも苦しく貧困のうちに
この世を去ったとされるが何故そのような結末になったのか解せない分が多い。
一説には妻のコンスタンツェに浪費癖があって多くの作品の収入を使い果たし
その生活費のために体を酷使して命を縮めたのが原因らしいが、亡くなっても
葬式も出せず、遺体は貧困者や行き倒れた人たちと同じ共同墓地の教会地下に
棄てられたらしい。彼の死後、貴族と再婚して音楽史上三大悪妻に数えられて
悪名を残したが、閑話休題、最近に頭蓋骨が発見されて真偽が問われているが
たとえ本物でも考古学者が喜ぶだけで、泉下のモーツアルトはどう思うだろう。
人生とは分からない。神童時代にベルサイユ宮殿でマリー・アントワネット
「将来、僕のお嫁さんにしてあげる」と言った可愛い少年の将来が苦難の道を
歩むとは誰が想像したことだろう。その大変な35年の生涯を掛けて作曲した
全て626曲のどれを聴いても素晴らしいのは長い音楽史にも彼を置いてない。
人類史上最高の偉人だ。
かつて練習した「魔笛の主題による変奏曲」を今年は再挑戦してみよう。