隠居の独り言(9)

昨日のどの新聞も、悪名高い?二人の顔写真が大きく掲載されていた。
ヒューザー小嶋進社長とライブドア堀江貴文社長の二人の写真は
堕ちるべきして堕ちた虚像の実態を見る思いがしてとても複雑だ。
小嶋の「偽造」、堀江の「偽装」は今まで誰も見抜けなかったし時代の
寵児として一世を風靡していたが政治家も報道関係もエコノミスト
一般庶民たちも彼らの巧みな戦術と話術にまんまと引っかかってしまい
砂上の楼閣を買い、拝金主義のお先棒を担がされた。群集心理とは
恐ろしいもので誰もが時代のバスに乗り遅れまいと若者から主婦まで
お茶の間トレーダーに変身して小さな数文字にチマナコになっていた。
風説の流布はいかに怖いかは、戦前の日本の群集心理にそっくりだが
あの悲劇の始まりは、なにも軍部の暴走だけでなく報道機関や評論家、
弁護士、学校の先生にいたるまで一億総白痴状態だったことを思う。
今こそ一人一人が理性ある行動を考え直すいい機会なのかも知れない。