隠居の独り言(10)

1/12日の「歌開始の儀」では皇后さまの「笑み交はし、やがて涙の、わきいづる、
復興なりし街を行きつつ」が朗詠された。あの神戸淡路大地震から11年の歳月が
流れたが両陛下は何度か震災地をご訪問されて苦労された人々を見舞われている。
地震で崩壊した家屋は気の毒だったけれどその教訓も生かされないままに今度の
耐震偽造問題は日本人の美徳であったはずの公僕心はないがしろになって悪徳の
塊のような連中に生活と命を預けたようなものだ。1/17ヒューザー小嶋進社長の
国会証人喚問での、その醜い姿格好は見苦しいが、腹が立つは彼らに仕えていた
部下が責任を取って自殺したというニュースにも涙一つ見せず自らの保身にのみ
考え行動していることだ。右手に数珠を持っての登場は何の意味かは知らぬが
ほとんどの質問にはダンマリ「刑事訴追の恐れが・」の一点張りで核心の部分は
闇の中だが、追求する側も偽造の部分より政界の誰と誰が接触したとか、献金
どうとかピントはずれの質問では買った被害者たちは納得がいかないだろう。
ライブドアの事件もお金を動かすだけの実体の無い会社に人々は踊らされた。
「人の心は金で買える」「ずるくても合法なら許される」「新聞TVを殺す」
ホリエモンの言葉に時代の変化と歓迎した我々の軽薄さも自戒すべきだろう。
そしてここにも犯罪を知る者が検察の追及を逃れて自らの命を絶っている。
小嶋進堀江貴文宮崎勤、ここ数日のTV,新聞を賑わせた三人三様の犯罪は
かつて想像も出来なかったその内容に日本人も随分と地に堕ちたものだと思う。
人を騙し、弱いものをいじめ、恥を知らない彼らの報道はもうたくさんだ。