隠居の独り言(38)

幸せの三本柱は健康、愛情、経済だが歳を取ると一番気になるのは健康だ。
今回は健康について思うままに書いてみる。いずれ「お迎え」が来るのは
仕方がないがそれまでは誰の世話にもならず元気そのもので暮らしたいは
老人の共通の願いで今年の初詣は巣鴨とげぬき地蔵さまにお参りをした。
たんに拝むだけではなく、お地蔵さまの身体に水を掛けてタワシで洗うと
その部分の病気が良くなるという伝説があって多くの老人たちが列をなして
水を掛けていた。今はお地蔵さまが磨り減ってしまうのでタワシは禁止だが
どれほど効果があるのか分からないが「おばあちゃんの原宿」は大繁盛だ。
本物の原宿は男女半々だがここは圧倒的にお婆ちゃんが多くて女の強さを
見る思いがしてお爺さんはチト気恥ずかしい。商店街にはババシャツや
モンペ等がぎっしりと並べられていかにも「お婆ちゃんの街」そのものだ。
高齢化の社会がやってきてますます巣鴨には大勢の人が訪れお地蔵さまも
お忙しいことだ。日本人の平均寿命が世界一でそれはそれで結構な話だが
老後の生きかたのヨシアシがその人の歩んできた人生の決算を見る思いで
幸いか不幸かの結果が出たと言っても過言ではないだろう。振り返れば
運の良さも悪さも遠い思い出になって、現在と先行きの短い未来を大切に
思う気持ちがとても切ない。 つづく