隠居の独り言(42)

それにしても病院は待たされる。一、二時間は当たり前でそれだけ病人と
年寄りが世の中に充満しているなによりの証明だ。高齢化社会というのは
読んで字の如し高齢者が増えた事で長生きするようになりますます病人は
増え続けて病院は繁盛の極みだ。今の平均寿命は男78歳、女84歳だが、
「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」信長の時代から
つい最近まで人生50年と言われたが医学の進歩と健康の知識で日本人の
寿命は世界最高らしい。けれど健康寿命と云うのがあって元気で活動的に
自立している事だが、それは平均寿命より4年間ほど下がる計算になる。
しかし標準とか平均とか言ってもあくまで一つの目安であって個人差が
あるのは仕方ない。そのためにも人間ドックで診断をしてもらうが今では
医学の測定技術が進歩しているので血圧、血液、検尿、検便、医療機器で
すぐに数値が出て血糖値、ヘモグロビン、中性脂肪、タンパク、尿酸、
コレステロール、潜血等・・・身体の隅々まで分かるようになっている。
といって素人にはこれらの数字が並んでいても何がなんだか分からない。
けれど健康の許容範囲が多少の+−も特に異常が無ければ主治医の見立ては
「まぁたいしたことじゃないからいいでしょう」との話しで終わってしまう。
患者の数が多いから2時間待ちの僅か2分の治療でベルトコンベアーに乗った
荷物のように次々と処置されているがあれでよく間違いないものと感心する。
医療事故の原因の一つは多忙からだが、患者のお年寄りの中にはサロンの
ように思っている方もいて難しい問題だ。 つづく