隠居の独り言(53)

中国も一世紀前の清の時代は欧米諸国に食い荒らされて植民地化され
領土も資源も巻き上げられ人々は奴隷のように扱われて人心は疲弊し
地方では群雄割拠して国としての尊厳も体面も無くしていた。
ロシアからシベリア、沿海州など奪われイギリス、ドイツ、フランス
アメリカ、ポルトガル等々に「清」は虫食い状態に餌食にされた。
「清」そのものも満州族が支配する殖民地国家だったし国家意識や
愛国心の育つ下地などなく外国から見ればだらしのない民族だった。
幕末に高杉晋作が見た上海の風景はイギリス人に鞭で叩かれながら
働く現地の人を見て植民地の惨めさを知り祖国に帰って長州藩
軍隊組織を作り幕府や外国軍と戦っても一歩も引かずやがて日本の
富国強兵に繋がる基礎が出来て明治の文明開化に発展していくが
歴史を振り返っても国を守る意識や尊厳の無い民族はやがて他国の
侵略を受けて惨めな思いをする。今の中国(漢民族)もチベット
モンゴル、ウイグル、その他少数民族を支配しているが受ける側は
力の無さの悔しい思いをしているに違いない。どんな立派な文面や
法律があっても国際社会では力が無いと一人前でないと思うべきで
哀しいけれど弱肉強食は人類がこの世に出現してからの本能的な
欲望は人間のサガなのだろう。今の日本がかつての「清末期」に
似ているように思えるのは周辺諸国からこれだけ侵略を受けても
人々は立ち上がろうと言う気概に欠けている事だ。 つづく