隠居の独り言(72)

孫との生活の中で爺の役目はいろいろと仰せつかるが幼児の子等の
昼寝の子守唄は遠い昔に母の背中で聴いた童謡が主体となっている。
「金太郎」「うさぎとかめ」「雀の学校」「冬の夜」「あの町この町」等
頭の柔らかい幼児の頃は素直にそれを受け止め情操教育の根幹となり
成長のステップに少しでも役に立てばとひとりよがりで歌っている。
昭和一ケタ生まれの戦前育ちの躾や教育は今とは隔たりが大きいが
戦後の教育指導は「戦前=全て悪」の自虐的思想が偏った学校方針の
考えになっているのを多くの人々は気がついていないようだ。例えば
音楽の時間で戦前に習った文部省唱歌などは“悪”という事で廃止の
措置は実に勿体ないものだと思う。家族、四季、自然、地域社会等を
題材に歌われた美しい日本の歌を何故いけないのか聞きたいものだ。
幼児の頃からアニメやテレビ主題歌の歌漬けで、学校でビートルズ
聴いて叙情的な心が音楽を通して子供の脳に入るのかとても疑問だ。
「春が来た」「こいのぼり」「虫の声」「おぼろ月夜」「ふるさと」等々、
文部省唱歌の歌詞やメロディなどのたとえようのない素朴と美しさは
成長期の子供たちには脳の栄養としては最高だと思うのだがどうか。
親も子供に子守唄や童謡を歌わなくなったのは親が戦後の学校教育で
おざなりの歌しか習っていない弊害が日本の歌の伝承を妨げている。
せっかくの日本の美しい文化を子々孫々に正しく伝えていくためにも
今国会の教育基本法の良い改正を願ってやまない。