隠居の独り言(81)

5/3日の憲法記念日が近いが今の私は改憲論者だ。「今」と前置きしたのは
かつては今の平和憲法は世界にも誇れる素晴らしいものだと信じていた。
しかし調べれば調べるほど法律の根幹というべき憲法が怪しげなものだと
分かってきた。私の改憲の理由は二つある。一つは日本の憲法でありながら
日本人の手で作られたものでないという事、二つ目は今の世界情勢の流れに
そぐわないという事だ。今の憲法が公布されたのは1946年11月3日だが
当時の日本は敗戦間もない進駐軍の軍事政権下の皇居前で行われた式典には
大勢の人たちが集まったが誰もが占領軍の手で作られたとは知らなかった。
憲法の基準は「マッカーサーノート」と言われるマッカーッサーの指示で
天皇は国家の元首である事②戦争は全て放棄の事③封建制度の放棄だが
GHQの民生局員が僅か一週間で書き上げた英文草案を外務省に手渡されて
国会に提出されている。日本側も幣原喜重郎や松本尚治など草案を書いたが
拒否されて押し通されてしまう。国会も総司令部の厳しい監視下に置かれて
議員の意思は反映されなかった。そもそも占領下での憲法の制定や改定は
ポツダム宣言条項にも謳ってないし植民地以外国際法でも違反するものだ。
しかも「戦力を維持しない」「交戦権は認めない」との規定は世界の中でも
例が無く戦後の日本に対する懲罰以外の何ものでもない。戦争が終わると
敗戦国は戦勝国に領土と賠償金が取られるのは歴史の通例だが、その国の
憲法まで変える権利は無く作家の永井荷風は日記にこのように書いている。
「米人の作りし日本国憲法今日より実施の由、笑うべし」  つづく