隠居の独り言(98)

マクダラのマリアが最近の話題のトップだろう。イエス・キリスト
「七つの悪霊」を追い出してもらって従うようになり処刑の十字架の
近くにもいたし後にその復活を証言した女性の一人でもあったらしい。
アメリカ映画「ダ・ヴィンチ・コード」は世界同時公開の鳴り物入り
封切られたが、問題はイエスが彼女と結婚をして子供まで儲けていた
との話しはキリスト教徒にとっては「とんでもない話」で信仰の根幹に
関わる事で決して認められないだろう。けれど不謹慎かもしれないが
エスもやはり人間で安心もし、親しみも沸くし、結婚してもしなくても
子供がいてもいなくても宗教や信仰心には影響は少ないと思うのだが
そこが一神教の純粋さであって一切の妥協の許さない神域なのだろう。
17世紀の初頭にガリレオが地動説を唱えてそれを理由に教会から有罪の
判決を受けて(終身刑から軟禁に減刑)彼の晩年は不遇の生活を送るが
教会が地動説を認め許されたのは360年も後の20世紀に入ってからで
いかに宗教の基本や規律は厳しく不変なものであるかを物語っている。
日本人の感覚から見ればお釈迦さまに何人の子供がいようが親鸞さんが
遍歴中に子供を作ろうが蓮如さんが何人お妾さんを持とうが信仰心の
変わらないのは鷹揚さと、いい加減さが混ざった特有なものだろうか。
ともかく「ダ・ヴィンチ」は原作の本も世界で6000万部、日本でも
900万部の売れ行きなのだそうでこの大ベストセラーは映画界も出版界も
一気に活気をもたらして景気の先頭を走ってくれればと願っている。