隠居の独り言(107)

秋田の小1男子生徒殺害事件の容疑者は捕らえられたが自分の娘も非業の
最期だったのに、事件の謎は深まるばかりで解明には時間が掛かりそうだ。
これも女の業なのだろうか。最近の少子化問題も未来の子供たちのこんな
社会に生まれたくない、という無言の異議申し立てとしか言いようがない。
「1,25ショック」が日本中を揺さぶっている。出生率の低下がこれまでも
心配されてきたが東京などは1%を切り0,9%とはここまできたかの感だ。
一人の女性が生涯に産む子供の数は最低2,08%なければ今の人口の維持が
できないそうだが、このままの紙の計算では150年経つと日本人はゼロに
なるという。これからの年金などの社会保障制度や若い人の労働力不足が
懸念され、政府はあわてて児童手当、奨学金、産休や育児休暇、保育所
整備、不妊治療の援助などさまざまな対策がとられているが焼け石に水だ。
今の団塊の世代の生まれた1946-7年には出生率が4,54%あったと聞くと
夢のようだが今の少子化は豊かな社会になった裏返しで必然の現象だろう。
昔から「貧乏人の子沢山」とはよく言ったもので「お金持ちの子沢山」は
絵に書いた餅だが子沢山は最も幸せな家族像だと思う。たしかに子育ては
大変な労力と経済力が伴う。独身生活でも豊かで便利な世の中の仕組みが
結婚しない人を増やしたし結婚しても子供を産みたがらない人が増えた。
日本の人口は現在の約1億2500万人としても狭い国土面積からみると
少しばかり多いような気もするが少子化は生物界の法則かもしれない。
いまさらジタバタしてもはじまらない。「満つれば欠くるは世の習い」で
月に譬えれば欠けはじめの十六夜(いざよい)で別名は「ためらいの月」
ともいう。放っておくしかないだろう。いつか幸せな日本がやってくる。