隠居の独り言(108)

かつては財産作りの三つの基本は「預金・不動産・株」といわれて、それらを
三等分するぐらいが保有の理想とされた。けれどバブル崩壊後は不動産や株の
目減りが激しく、かといって預金も金利ゼロ状態では財産保有も心許ない。
村上ファンド」の村上世彰インサイダー取引の容疑で逮捕されたが先日の
堀江貴文時間外取引といい、グルになって一般の投資家の良心を裏切った
これらの行為には徹底的に捜査して締め上げてもらいたい。普通の投資とは
上場された優良な会社を選んで長期間に亘って資本を提供し配当金や増資など
楽しみにして財産の一つとして長期保有するのが常道だが、最近はそれらの
考えを取り違えている人が結構多くてギャンブル化しているのが気になる。
あのバブルの時や最近のPCを使っての売買は投資というより投機の目的で
けっして健全とはいえない。にわか投機ファンも最初は儲けた人もいたかも
しれないが、投機は賭け事のようで儲ければ儲けたものを入れ込んで結局は
売るに売れずに大損をして「塩漬け」の状態になった人たちが大半だと思う。
「仕手」なんて素人はうまくいくはずがない。いろいろな情報の本や勧誘が
あるがそれをまともに受けるのが間違いであってあとで泣いても手遅れだ。
玄人のはずの機関投資家でさえバブル崩壊で穴を開けて証券会社、生保、銀行、
農協などの金融機関が軒並み手を上げたのに懲りずにまた手を出し始めている。
「人の褌で相撲をとる」とは昔からうまくいったもので多くの人から金を集め
自ら汗することなく「机上の作戦」で右から左へ資金を流して儲けに儲けた。
あくどい手法で堀江貴文村上世彰たちは裏街道の世渡りをしたが、いっときは
時代の寵児となってもメッキがはがれれば牢に繋がれる。平凡な暮らしが一番。