隠居の独り言(120)

小泉首相は、ほんとにツイテいる人だなぁと感心する。首相を辞める直前に
自衛隊イラク撤収が決まった事だ。戦争と異性関係は「入り口は易しいが
出口が難しい」と言うが、イラクの本格政権の発足の機を捉えて日米英豪の
協議で治安権限をイラク側に移譲したいとの合意が出来たことで、今月末の
日米首脳会談を前にこのような絶妙のタイミングになるとは首相にも考えも
つかなかったろう。一人の殉職者も出さず大勢の現地の人達から高い評価を
受け感謝されながら撤収できるなんて、最初の頃は誰もが想像できなかった
ことを成し遂げた陸上自衛隊の業績にただただお疲れさまと、ねぎらいたい。
一つの区切りがついたのは喜ばしい事で後はイラクの人達が頑張って欲しい。
次は航空自衛隊の出口戦略が課題だが、後継首相がよしなに計らうだろう。
人の生涯は遺伝子三分、環境三分、努力三分、残りの一部が運、不運と云う。
小泉首相の5年に亘る任期中の高い支持率はご本人の努力もあっただろうが
運の力がこれほど付いていた総理大臣は戦後のなかでもTOPクラスだろう。
今の地位に恋々としないのも、さっぱりと引き際をわきまえているのもいい。
戦後の総理では途中で投げた細川護煕、スキャンダルの宇野宗佑、任期中に
亡くなった大平正芳小渕恵三、等々の運の無かった人も多かったが残りは
田中角栄のように晩節を汚さない事が歴史に残る名宰相の資格だ。