隠居の独り言(122)

女性に年齢を尋ねるのは失礼という習慣はいつから根付いたのだろう。
いつまでも若くありたい、との気持ちは男女を問わずに永遠の望みだが
生きとし生けるもの全ては時間の経過と共に成長し、栄え、衰えていく。
梅雨に咲くアジサイの美しさは季節に合っているがとくに雨上がりの後の
鮮やかさはうっとりとしてしまう。女性をアジサイに譬えれば花や草葉は
姿かたちだが、その上に雨露という化粧をすると一層に目映えて華やかだ。
でも花の七色の移ろいは人生の経過そのもので、やがて雨の季節が過ぎて
夏の陽を浴びると風情と美しさは薄れて夏の終わりとともに花は枯れて
朽ち果てていく、「時」は残酷なもので神様だって止めることは出来ない。
話は変わるが先日の越後屋さんhttp://d.hatena.ne.jp/dozzy/のブログで
バイオリニスト川井郁子(38)の女児出産の記事でギタリスト村治佳織(28)も
書かれてあったが美人の彼女たちは多少の年齢の差はあっても私には
どちらの方もただ華やかに見えるだけで歳のことは気にはならない。
自分も若い頃の老人を見る目は50代も70台も同じように見えたが
逆に上から下を見ると羨望からか20台も30台も大して変わりがない。
女性が年齢を気にするのもいつまでも若いと願う心情なのだろう。
若さは素晴らしい!しかし若さの恩恵に浴しているときは気付かない。
それが徐々に失われていくときにはじめてその貴重なことに気が付く。
美しく老いたいと願うのは誰もが思う美学だが外見と内容が伴わないと
ちぐはぐなものになってしまう。心しなければと自戒している。