隠居の独り言(135)

7/13日は東京近辺では、お盆の「迎え火」だが、盂蘭盆(うらぼん)とは
梵語によれば逆さまに吊るされた地獄の苦しみを意味するらしく、釈迦の
弟子の目連の母が死後地獄に堕ちて苦しんでいるのを知り「7/15日に夏の
修行を終えた大勢の僧たちに飲食を施し彼らの力で供養せよ」との釈迦の
教えに従い母を助けたのが謂われだそうだ。その慣習から盆に祖先の霊に
食べ物を供え僧侶に布施をするようになったと云う。13日夕方に迎え火を
焚き精霊棚にお霊をお迎えし、家族が集まって先祖の霊と食事を共にして
僧侶にお棚経を読んでもらい16日には送り火をしてお帰りいただくのが
お盆の基本のようだ。けれど現在でもきちんと盂蘭盆会の行事をしている
家庭は僅かに過ぎない。全国的にみれば1ヶ月遅れの8/15日が多いが
旧暦の習慣からも盆は真夏の暑い季節のほうが合っているのかもしれない。
形を変えて夏祭りや盆踊りなど夏の風物詩は日本全国に定着していった。
最近は核家族のせいか習慣もなおざりになり、ご先祖様もお怒りだろうが
これも時代の波には勝てず、私たちの子孫もますます遠い習慣になって
いつか忘れ去られていくのだろうか。多くの人の盆休み連休の思い出は
墓参りは抜いて家族で海や山へ遊びに行くのはご先祖様から見れば子孫が
幸せなのはきっと喜んでいられると勝手に解釈して手だけ合わせている。
東京の盆が過ぎれば子供たちの夏休みが近い。今年はどこへ行こうかな。