隠居の独り言(152)

官房長官安倍晋三が四月に靖国参拝をして今頃になって問題化している。
早速小沢一郎等が吠えた「どうせ行くなら正々堂々と鳥居をくぐるべきだ」
一方小泉首相が8/15日の参拝をめぐる報道陣の騒ぎはどうしたものだろう。
はからずも戦争で散った慰霊に静かに向き合うべきなのに政治の駆け引きの
道具になっているのは祀られている多くの御霊にも失礼ではないだろうか。
参拝をするのにいちいち、その筋に報告しなければならないなんて、どこか
おかしいと思う。慰霊の気持ちは生活の一部であって先祖の墓参りとどこが
違うのだろうか。自分の肉親や近親者が祀られている場所にはいつお参りに
行こうがご当人の自由で、とやかく言うのは大きなお世話だ。宗教や祈念の
自由は憲法にも保障されたもので、まして中国などがイチャモンつけるのは
内政干渉もいいところと思う。1978年に日中平和条約を結ばれた条文には
互いに内政干渉はしないとうたっているが、一国の指導者がその国のために
殉じた人に慰霊の念を表すのは当たり前の事で世界のどの国も行っている。
日本の伝統や概念では亡くなった人は全てが仏になりその文化にのっとった
祈り方もごく自然のもので、文化や考え方の違う国が干渉するのは論外だ。
靖国参拝軍国主義に繋がるという意見がある。戦後の日本は外国に一発の
銃弾も発せず、武器輸出もしないと国是で決めている世界でも稀有の国だ。
国共内戦朝鮮戦争中越戦争、新彊、チベット弾圧、中印、中露国境紛争、
国内では文化大革命などで数千万人を粛清した血なまぐさい政策に今もなお
軍事拡張を続ける中国政府に軍国主義を諭す資格がどこにあるのだろうか。
靖国をシタリ顔で話す有識者やメディアは、騒げば騒ぐほどどこの国が得を
するのか考えてほしい。靖国の御霊は静かにそっとしてあげよう。