隠居の独り言(159)

今年夏の全国高校野球は決勝戦再試合という劇的なフィナーレで幕を閉じたが
優勝した早稲田実業も準優勝の駒大苫小牧もここまで戦えば悔いはないだろう。
早実出身の王貞治さんも病の床で嬉しい勝利の瞬間をTVで見られただろうが
病気の治癒にも精神的な要素が大きいだけにこんな素晴らしいニュースはない。
けれどアマノジャク的だが高校野球が終わって、ほっとしている人の多いのも
事実だ。自社の仕事を例えれば朝から晩まで縫製の仕事に従事している職人は
ラジオを耳に楽しみながらミシン等の機器とにらめっこして品物を作っている。
つまり目を離せない仕事は単調なだけに、耳から入る楽しみにラジオの番組の
面白さを求めているのを報道関係の企画を練る人に知って欲しいと常々思う。
たいていの職人の仕事は朝の9時頃から夜の9時頃まで続いて、休みの時間は
昼食後の1時間と3時のおやつの時ぐらいで夜食は仕事が終わってからが多い。
某新聞の投稿欄に載ったがTVやラジオの視聴者は野球ファンばかりではない。
有料のNHKはじめこのシーズンはラジオのどのチャンネルも昼間は高校野球
夜はプロ野球と朝から晩まで野球を聞かされていたのでは職人とその家族達が
おおいに迷惑だとこぼしている。この悩みは縫製関係ばかりじゃないと思う。
NHKなど全国津々浦々に放送する事は老いた人、病める人、TVやラジオに
生きがいを求めている声なき人たちの要望をもっと真摯に受け止めるべきだ。
仕事や趣味嗜好が多様化されている現代社会にチャンネルを増やせば簡単に
解決されるものを何故出来ないのか、いろいろな葛藤を垣間見る思いがする。
それはともかく感動を与えてくれた早稲田実業駒大苫小牧、ありがとう!!