隠居の独り言(166)

安倍晋三の著書「美しい国へ」を読んだ。長文でなく数時間もあれば読める
短く分かりやすい文章でまとめられているが、タカ派と称される次期総裁の
文にしては考え方がいまひとつまとまらず学校の教科書を読む感じがする。
これから政権を取る人の著書だから読者に当たり障りの無い文章になるのは
仕方がないのか。それでも安倍晋三の生きた昭和の時代を再勉強する意味では
とてもいい本だと思うし日本の外交から年金まで一応の事は書かれている。
安倍内閣が誕生するのは確実だが、人気絶頂だった小泉内閣のあとの仕事は
彼が残した負の遺産を整理する事だが相当の気構えを持って処理しなければ
ならず「美しい国へ」の冒頭に強調された「闘う政治家」の説は、ここ一番、
国家のため、国民のためとあれば、内外の批判を恐れずに行動する政治家に
なって欲しいと日本国民は切に願っている。今の政治家の中で毛並みの良さは
麻生太郎と肩を並べるがそれだけに世界の猛者連中と張り合っていけるのか
お坊ちゃんの脆さが出なければ素晴らしい宰相になれると期待をしている。
安倍晋三の祖父の岸信介は1960年安保闘争でデモ隊33万人に官邸を囲まれ
「殺されるなら本望だ」と日米安保条約を死守した逸話があるがそれぐらいの
気迫をもって自らの信じた道を突っ張って欲しい。美しい国から汚れた国へ
堕ちてしまった日本を救えるのは安倍晋三の汚れ無き政策にかかっている。
かつての「美しい国」日本が恋しい。